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2000 年度 実績報告書

がん特異的リン酸化基質Casによる癌化・転移の制御

研究課題

研究課題/領域番号 12215162
研究機関国立がんセンター

研究代表者

堺 隆一  国立がんセンター, 研究所・ウイルス部, 室長 (40215603)

研究分担者 松田 和洋  国立がんセンター, 研究所・ウイルス部, 主任研究官 (80251502)
齋藤 政樹  国立がんセンター, 研究所・ウイルス部, 部長 (60012762)
キーワードCas蛋白質 / 蛋白質リン酸化 / ドッキング蛋白質 / チロシンキナーゼ / 形質転換 / がん遺伝子
研究概要

Cas蛋白質を欠失する線維芽細胞では、アクチンストレスファイバーの形成、細胞運動、活性型Srcによる形質転換に異常が見られ、これらの表現形質は正常Casによりレスキューされる。Casの各種欠損変異体を、発現ベクターを用いてCas欠失細胞に発現させ、Casの欠失により生じた3種類の生物学的機能の異常がそれぞれレスキューできるかどうかを解析することにより、Casのどの領域が上記のどの形質にかかわるシグナルを伝えているのかを調べた。その結果、Casの基質領域に繰り返して存在するYDxPモチーフがこれらすべてに共通して必要であることがわかった。このモチーフは、Srcファミリーキナーゼによりチロシンリン酸化を受けCrkやNckと結合することがわかっており、この領域のチロシンリン酸化による生物学的シグナル制御の重要性が明確になった。これに対しCasのSH3領域は少なくともこれらの現象に必須ではないことが示され、Fakなどと結合するこの領域を介したシグナルは少なくとも調べた生物学的機能に関してはredundantであると考えられた。Src結合領域は、細胞運動やSrcによる形質転換には重要であるが、アクチンストレスファイバーの形成には必要ないことが示され、これらのことからCasの各ドメインはいくつかの異なった生物学的機能を微妙に異なる形で制御していることが示唆された。以上実験から得られた情報からCasのリン酸化により伝えられる個々の生物現象に関連したシグナルをブロックするペプチドを設計し、腫瘍細胞に強制発現することによって腫瘍の増殖能や転移能を制御するシステムを構築中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 中元哲也: "CIZ,a zinc finger protein that interacts with p130^<Cas> and activates the expression of matrix metalloproteinases."Molecular and Cellular Biology. 20. 1649 (2000)

  • [文献書誌] 堺隆一: "The mammalian ShcB and ShcC phosphotyrosine docking proteins function in the maturation of sensory and sympathetic neurons."Neuron. 28. 819 (2000)

  • [文献書誌] 堺隆一: "アダプター分子・ドッキング分子の生物学的機能-その特異性とredundancy"実験医学. 18. 23 (2000)

  • [文献書誌] 堺隆一: "実験医学増刊vol.18「プロテオーム研究とシグナル蛋白ドメイン」"羊土社 竹縄忠臣 編(担当分). 6 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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