研究概要 |
1.ヒト胃癌MKN45細胞にX-線を照射するとネクローシスを引き起こすが,それにアポトーシスを起こさない低濃度のECydを加えるとアポトーシスを起こすようになる.この現象はX-線によって引き起こされたG2/M期checkpointのECydによる解除であると考えられた.さらに,このabrogationには,survivinの発現の低下が関与していることが原因であると考えられた.2.HMG蛋白質とbent型DNAの相互作用を解明するため、シスプラチン架橋部位を模倣した塩基部架橋型環状ウリジル酸二量体(d(U^<et>pU))を合成した.d(U^<et>pU)を含む20merの二本鎖DNAは,HMG1bAと強く結合(K_d=11.6±2.51nM)することが明らかになった.今後,ウラシル塩基間のメチレン鎖の長さを調節することでHMG蛋白との結合性をさらに高め,デコイ分子としての利用を考えたい.3.ペンタエリスリトールを用いて二本のオリゴヌクレオチドの両3末端を架橋した回文配列、および非対称な配列からなる3-3結合型オリゴヌクレオチドがポリピリミジン・ポリプリン交互配列に対し、高いアンチパラレル型三本鎖核酸形成能を示すことを明らかにした.4.4-チオリボヌクレオシドを含む4-チオRNAの化学合成に成功した.さらに,合成した4-チオRNA二本鎖を用いてこれらがRNAi法に使用できることを確認した.一方,4-チオリボヌクレオシド 5-リン酸がT7RNAポリメラーゼの基質になること,および,4-チオリボヌクレオシドを含むRNAが逆転写酵素の基質になること,を明らかにした.
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