研究課題/領域番号 |
12217010
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石岡 千加史 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (60241577)
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研究分担者 |
加藤 俊介 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40312657)
柴田 浩行 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (50260071)
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キーワード | 機能診断 / BRCA1 / BRCA2 / PTEN |
研究概要 |
がん抑制遺伝子やDNA修復遺伝子などの腫瘍関連遺伝子の変異を検出し、その変異が遺伝子産物機能へどのように影響するか評価を行うための出芽酵母を用いたアッセイ系の開発とその応用について研究する。本研究は、申請者らが独自に開発中の遺伝子機能解析システムを改良し、腫瘍関連遺伝子の変異を迅速かつ簡便に検出し、さらにその機能に及ぼす影響を評価できる診断システムを系統的に作製し、また、既知の変異の機能評価結果をデータベース化しようとする独創的なアプローチである。臨床検体から目的とする腫瘍関連遺伝子変異を迅速・簡便かつ系統的に検出または機能評価することが可能になれば、がんの治療感受性(または抵抗性)の予測、がん患者の予後の予測、家族性腫瘍ににおける発癌リスクの予測等に幅広く応用が可能である。日本人の家族性乳癌におけるBRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子のスクリーニング法としてストップコドンアッセイ(SC assay)を導入しDNAシークエンス法と比較した結果、感度・精度や労力・コストの点でのその有用性が示されつつある。ヒトDNAミスマッチ修復遺伝子hMLH1の機能診断系を用いて、hMLH1のミスセンス変異の病的意義について検討した結果、その大部分が正常hMLH1と判別できたが、評価できないミスセンス変異が一部あることが判明した。PTEN遺伝子のミスセンス変異42種類のPTENタンパク質の機能へ及ぼす影響を野生型PTENが有するin vitroのphosphoinositide phosphatase活性を指標に機能解析した結果、大部分(42種類中38種類、90%)の変異は正常PTEN機能を障害しており、がん抑制に重要なPTENの機能はphosphoinositide phosphatase活性であることが明らかになった。ミスセンス変異を有する変異PTENタンパク質の膜結合機能を調べたが、調べたすべてのミスセンス変異は膜結合能には影響がなかった。
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