研究課題/領域番号 |
12217065
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
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研究分担者 |
木梨 友子 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (80252534)
櫻井 良憲 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20273534)
切畑 光統 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60128767)
笠岡 敏 広島国際大学, 薬学部, 助手 (90338690)
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キーワード | 悪性神経膠腫 / BSH / BPA / BPA-ol / 再発頭頸部癌 / 耳下腺癌 / 肝臓癌 / HPRT遺伝子 |
研究概要 |
1.BSH 5g+BPA 250mg/kgと熱外中性子によるGB/AAのBNCTでは、>80%の例で体積が>50%縮小し、CR例も得られた。腫瘍縮小効果の発現は全例で<1週間であった。再発は殆どGTV最深部から生じ制御には>45Gy-Eqが必要と判明した。そこで、線量の増加と腫瘍,選択性が高めるためBSHとBPA大量700mg/kgを併用するBNCTを実施中である。2.治療後再発頭頸部癌にBNCTによる再治療を試み、全症例で顕著な腫瘍退宿が得られた。特に耳下腺癌全例(5例)でCRまたはそれに近い効果を得た。近接皮膚を含む正常組織には殆ど反応を惹起しなかった。BNCTの腫瘍細胞選択的照射の特性が明瞭に示された。腫瘍硼素濃度の上昇を狙って動注投与の試験を開始した。3.X線照射やBPA-BNCTを受けた腫瘍ではBSHの腫瘍濃度が50%程度高くなることが分った。ラット肝腫瘍モデルでBSH+リピオドールの混液を肝動注すると、塞栓効果で>200ppmの腫瘍硼素濃度と>20の腫瘍:正常肝硼素濃度比が得られた。正常肝線量<50%耐容量、腫瘍線量>30Gy-Eqが可能なので、多発性肝癌患者(1例)にBNCTを実施した。4,肝BNCTで硼素濃度モニター用にγテレスコープを開発し応用した。5.アスコルビン酸は高LET放射線である中性子やBNCRのα粒子によるHPRT遺伝子の突然変異誘発を効果的に抑制することが分った。
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