研究課題/領域番号 |
12217097
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
日野田 裕治 山口大学, 医学部, 教授 (10165128)
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研究分担者 |
濱中 裕一郎 山口大学, 医学部, 助教授 (40189618)
山本 光太郎 山口大学, 医学部, 助手 (50304481)
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キーワード | 樹状細胞 / mRNA / TRP2 / B16 / EGFP / EL4 / RHAMM / ELISPOT |
研究概要 |
樹状細胞を用いた腫瘍抗原に対するMHC拘束性CTLの効率的な誘導法の確立とその臨床応用を目指して、樹状細胞に腫瘍抗原分子mRNAを導入し動物実験によりin vivoの抗腫瘍効果を検討した。マウスB16メラノーマあるいはEL4リンパ腫をC57BL/6マウス背部皮下に移植後、mRNA導入樹状細胞(DC)を3日目から1週間おきに2回投与しその抗腫瘍効果を観察した。B16メラノーマでは、TRP2 (tyrosinase-related protein 2) mRNA + DCおよびT-E-T(TRP2のN端側にEGFPを結合したmRNA construct) + DC群において有意な腫瘍増殖の抑制が認められた。peptide + DCおよびT-E(TRP2のC端側にEGFPを結合したmRNA construct) + DC群でも抑制傾向を認めた。次に生存期間をKaplan-Meier法にて検討したところ、TRP-2 mRNA + DC、T-E + DC、T-E-T + DCのいずれの群でも有意な生存期間の延長を示した。peptide + DC群では生存期間の延長を認めなかった。T-E + DC群の腫瘍抑制効果に対して、抗CD4および抗CD8抗体の影響を検討したところ、いずれの抗体投与群でも有意な腫瘍抑制効果の消失を認めた。EL4リンパ腫細胞に対しては、mRNAとしてhuman RHAMM(receptor for hyaluronan mediated motility)を用いてB16と同様の治療実験を行った。その結果、著明な抗腫瘍効果を認め、ELISPOTアッセイでも有意なINF-γ産生細胞数の増加が検出された。臨床試験については、mRNA導入DC療法の安全性を確認するための第1相臨床試験「進行期肝細胞癌に対する腫瘍抗原mRNA導入樹状細胞療法の第1相試験」が進行中である。
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