研究課題/領域番号 |
12217123
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
濱田 洋文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00189614)
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研究分担者 |
加藤 和則 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60233780)
中村 公則 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80381276)
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キーワード | 膵癌 / 悪性黒色腫 / 悪性神経膠腫 / B細胞系の腫瘍 / 前立腺癌 / モノクローナル抗体 / 遺伝子治療 / アデノウルスベクター |
研究概要 |
腫瘍に対する選択的標的化の候補分子を探索するために、抗体のFcドメインに結合するProtein AのZ33モチーフをAd5ファイバーのHIループに持つAdv-FZ33アデノウイルスを作成した。CARをほとんど発現しないヒト膵癌細胞AsPc1やヒトメラノーマ細胞A375に対する遺伝子導入効率をEGFPないしb-gal遺伝子発現で測定した。AsPc1やA375に発現する表面分子(CD29、CD54など)に対する抗体を付着させたAdv-FZ33による遺伝子導入・遺伝子発現は、コントロール(抗体の非存在下またはコントロールIgG併用でのAdv-FZ33、ならびに野生型Ad5ファイバーAdv-Fwtのウイルス)による遺伝子導入・発現の数十倍に増強できた。また、ErbB2を高発現するヒト卵巣癌細胞(SK-OV3など)への遺伝子導入は、ErbB2抗体の併用により、選択的に著明に(EGFP遺伝子導入細胞%で、5%から90%へ)増強できた。腫瘍細胞とZ33アデノウイルスとを架橋することによって遺伝子導入効率が高まるモノクローナル抗体をスクリーニングすることにより、腫瘍細胞に対して標的化の可能な表面分子と抗体の組み合わせの探索を開始している。先行しているヒト膵癌を標的化できる新規抗体作製のプロジェクトでは、すでに4種類の抗体産生ハイブリドーマが樹立されている。このうちの一つクローンA^*によって得られるモノクローナル抗体は、AdvFZ33アデノウイルスの膵癌細胞AsPc1への遺伝子導入効率を、非常に強く(200倍)増強し、有望である。
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