研究課題/領域番号 |
12217132
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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研究分担者 |
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199334)
松崎 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
桜井 敏晴 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20101933)
塚本 真 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50365441)
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キーワード | 腫瘍抗原 / メラノーマ / T細胞 / 樹状細胞 / 免疫療法 / 網羅的遺伝子解析 / siRNA / DNAクローニング |
研究概要 |
本研究は、メラノーマにおける腫瘍抗原の同定、免疫応答の解析、免疫療法の実施と評価などを行うことにより、メラノーマに対する免疫療法の開発を目指す。本年度は、網羅的遺伝子解析法として、cDNAチップ解析によりメラノーマ高発現分子Skp-2を、CGH(comparative genomic hybridization)解析によりメラノーマ高発現分子BRAFを同定し、BRAFはメラノーマ患者に免疫原性をもつ腫瘍抗原であることを明らかにした。さらに、新たに開発したヘアピンタイプsiRNA組換えウイルス(レンチ・アデノウイルスベクター)を用いて、BRAFとSkp-2が内在性にメラノーマの増殖浸潤に関与すること、また、免疫療法だけでなく遺伝子治療や分子標的治療の標的になることを明らかにした。特に両者の同時阻害により強力な抗腫瘍効果が得られることを明らかにした。また、前年度までに同定したメラノーマ抗原PAX3、FCRL/FREB、CAGEにおいて、日本人に頻度の高いHLA-A24に結合するT細胞エピトープを、新規HLA-A24結合ペプチド予測アルゴリズムとHLA-A24遺伝子導入マウスを用いた方法により同定した。既知のメラノーマ抗原T細胞エピトープと今回同定したT細胞エピトープにおいて、3つの予測プログラムの比較をしたところ、本ペプチド予測プログラムは、従来のプログラムに比較して、効率よくHLA-A24結合性T細胞エピトープを同定できる可能性が示唆された。第IV期メラノーマ患者に対するHLA-A24結合性gp100ペプチドの単独免疫の臨床試験では、安全性、免疫誘導能、一部で抗腫瘍効果が認められたので、次の段階として、本年度からIL2を併用したgp100ペプチド免疫の臨床試験を開始しているが、現在までに、重篤な有害事象なく、1例で免疫誘導効果と抗腫瘍効果が認められている。
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