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2001 年度 実績報告書

アテロコラーゲン包埋法の応用

研究課題

研究課題/領域番号 12217166
研究機関国立がんセンター

研究代表者

落谷 孝広  国立がんセンター, 研究所・がん転移研究室, 室長 (60192530)

キーワードアテロコラーゲン / 遺伝子治療 / デリバリー / トランスフェクションアレイ / ハイスループット / アンチセンス / ウイルスベクター / プラスミドDNA
研究概要

遺伝子治療を有効に行うためには、遺伝子ベクターを生体での作用部位に適切な濃度、時間パターンのもとに的確にデリバリーする技術に加え、細胞内に取り込まれた遺伝子ベクターの徐放をコントロールすることで遺伝子発現を自由に制御するシステムの構築が要求される。これらの目的を達成するための戦略として用いたアテロコラーゲンによる遺伝子ベクターの生体内導入に関して、今年度の成果を以下にまとめる。1)細胞への導入率に関して、両者の混合物の最適な粒子径を決定すべく、詳細な検討を行ったところ、平均粒子径が125から150ナノメーターの場合が、遺伝子導入効率が最も良いことが判明した。この粒子が細胞内に取り込まれると、内包した遺伝子ベクターが徐放化され、遺伝子発現が長期間にわたって持続することが考えられる。2)アテロコラーゲンは静電気的に遺伝子ベクターと結合し、両者の混合比を調節することによって細胞に取り込まれやすいナノサイズの粒子状に成形することが可能である事を明らかにした。さらにこれらのナノサイズの混合物をあらかじめ96穴のマルチプレートに固定し、そこに細胞を播き込むと、細胞への遺伝子導入と発現が可能であった。この方法は、プラスミドDNAのみならず、ウイルスベクターやアンチセンスオリゴヌクレオチドをプレート上に固定化したうえで、細胞に導入することを可能にした。アテロコラーゲンによりプレート上にいったん固定化された遺伝子医薬は数週間活性を保ったままで保存が可能であった。この技術を応用したトランスフェクションアレイは、遺伝子医薬導入アレイを作成し、そこに目的の細胞を植え込むことで蛋白質の機能解析や疾患治療に有効な遺伝子医薬の細胞レベルでの発現スクリーニングをハイスループット化することが可能になった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 落谷孝広: "Biomaterials for Gene Delivery : Atelocollagen-mediated Controlled Release of Molecular Medicines"Current Gene Therapy. 1・1. 31-52 (2001)

  • [文献書誌] 本間紀美: "Atelocollagen-based gene transfer in cells allows high-throughput screening of gene functions"Biochem Biophis Res Commun. 289・5. 1075-1081 (2001)

  • [文献書誌] 落谷孝広: "バイオマテリアルの併用による遺伝子治療法の開発"遺伝子医学 特集「遺伝子複合治療」. 6・1. 21-25 (2002)

  • [文献書誌] 佐々木博己, 落谷孝広, 吉田真太郎: "バイオ実験の進め方"羊土社. 196 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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