研究課題/領域番号 |
12218101
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
赤座 英之 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (70010486)
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研究分担者 |
内藤 誠二 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40164107)
平尾 佳彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00133207)
塚本 泰司 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50112454)
森 満 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50175634)
藤岡 知昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80173409)
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キーワード | 前立腺がん / 疫学 / 環境要因 / 宿主要因 / イソフラボン / 遺伝子多型 |
研究概要 |
【目的】本研究は前立腺がんの食物、栄養要因を中心とした生活習慣要因と遺伝子多型などの宿主要因をcase-control studyにより比較検討する。 【方法】症例群は1997年1月以降に前立腺がんと診断された患者で、対照群はがんや前立腺疾患を主病名としない患者である。食品摂取頻度調査は半定量的に面接聞き取り調査で行った。血中大豆イソフラボン濃度の測定は、早朝空腹時に静脈血を採取し、LC/MS/MS法で測定した。エコールが測定限界(0.5ng/ml)以下をdaidzein non-metabolizerとした。疾病感受性遺伝子多型(SNPs)の解析は、白血球由来のDNAをPCR-RFLP法によって解析した。血中大豆イソフラボン測定は、'韓国およびドイツでの調査をあわせて行い、日本と比較検討した。 【結果】これまでの生活習慣要因の調査では、蛋白質、脂質、炭水化物の摂取はリスクを高め、イソフラボン摂取はリスクを減少させた。有意ではないものの緑茶もリスクを下げる傾向にあった。また、前立腺がんの家族歴と前立腺肥大の既往歴は有意にリスクを高めた。血中大豆イソフラボン測定では症例群の方が対照群よりも血中濃度が高かったが、ダイゼインnon-metabolizerは症例群で有意に多く認められた。症例群では、70歳未満は70歳以上よりも血中濃度が低いことが示された。一方、遺伝子解析では、乳がんとの相関が報告されているHER2/neuの多型が前立腺がんと有意に相関していた。また家族性前立腺がんとの相関が報告されているHPC2/ELAC2の多型が前立腺がんと有意に相関していた。 国際比較では、韓国でも日本と同様にnon-metabolizerが症例群で有意に多く認められた。metabolizerの割合は日本および韓国では46%、59%であるのに対し、ドイツではわずか6%であった。
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