研究課題/領域番号 |
12218104
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山口 一成 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (20128325)
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研究分担者 |
上平 憲 長崎大学, 医学部, 教授 (80108290)
渡邊 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
日野 茂男 鳥取大学, 医学部, 教授 (70012763)
出雲 周二 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30143811)
片峰 茂 長崎大学, 医学部, 教授 (40161062)
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キーワード | HTLV-I / ATL / HAM / HTLV-I ぶどう膜炎 / コホート研究 |
研究概要 |
以下のことが明らかになった。 1)コーホート研究:(1)キャリアにおける末梢血液の主な感染細胞クローンは、長期にわたって存在し続けており、このことが安定した感染細胞数の維持を可能としていた。(2)HTLV-1の地域内流行の大部分は母乳を介した母子感染であり、これを遮断することで将来のATL発症を大きく減少させる。2)ATL細胞のリンパ組織への浸潤には、ATL細胞のケモカインレセプター(CCR7)の発現が関連することが示唆された。3)HAM及びキヤリアにおけるunintegrated proviral DNAの存在が明らかになり、これはウイルス粒子産生を介しての新たな水平感染が生じていることを示唆している。PCRを用いた感染細胞数定量を行う場合、非組込DNAを考慮に入れる必要がある。4)形態学的に証明されたATL-like cell数とプロウイルス量を比較し、キャリアには感染細胞数とATL-Like cellsの相関する群、ATL-Like cellは少ないが感染細胞数のみ多い群、両者とも低い群の3つの集団が存在することが明らかになった。5)HTLV-1の潜伏感染にHTLV-I LTRのCpGメチル化が関与している。ATL細胞ではプロウイルスがメチル化あるいはゲノムの欠損によって不活化されている。6)局所浸潤感染T細胞のサイトカイン産生能に及ぼすMIF、線維柱帯細胞培養上清の解析から、眼内の線維柱帯で産生されるMIFはHUの病態にproinflammatory cytokineとして働く。7)HTLV-I感染よりATLに至る多段階発癌には、p53タンパクの蓄積と機能異常、STATタンパクの恒常的活性化、p16遺伝子の欠損などが関わっている。
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