研究課題
消化管がんの発生リスクを明らかにするため、消化管の分化に関連する遺伝子を解析した。腸特異的ホメオボックス遺伝子CDX1/2の発現を免疫組織染色で解析した結果、腸上皮化生ではともに高かった。胃がんでは、ともに発現がさがったが、CDX2の発現は高分化型の方が有意に低分化型より高く、分化との関連が示唆された。CDX2の発現が胃がんで低下している原因としてメチル化によるのか否かを調べ、29例中6例でメチル化を検出した。メチル化と生活習慣要因の関連を検討した結果、家族にがんの既往者がいるとメチル化の頻度が高かつた。逆に、野菜を高頻度に食べている患者では、メチル化の頻度が低かった。胃特異的転写因子SOX2の発現を、免疫組織染色で解析した。正常胃では腺頸部で発現が高く、それより上部または下部では発現が低かった。胃がんでは、腸型にくらべて胃型でSOX2の発現がより高かった。従って、SOX2は胃の分化・がん化に関与している可能性が示唆された。
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