研究課題/領域番号 |
12218216
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大野 良之 名古屋大学, 医学部, 教授 (10160590)
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研究分担者 |
近藤 高明 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00195900)
鈴木 宏 新潟大学, 医学部, 教授 (20091704)
久道 茂 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10142928)
若井 建志 名古屋大学, 医学部, 講師 (50270989)
玉腰 暁子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90236737)
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キーワード | コホート研究 / 肺がん / 喫煙 / 食事 / 飲酒 / 肥満 / 心理要因 / 血清 |
研究概要 |
本研究では文部省大規模コホート研究で収集されたデータを用いて、肺がんの発生・死亡と広範な生活習慣等との関連を検討するとともに、保存血清を用いて酸化ストレスや抗酸化能と関連するマーカーを測定し、肺がんリスクとの関係を分析している。このうち肺がん死亡リスクと喫煙・食事・飲酒・肥満・心理要因との関連については、検討がほぼ終了し以下の所見が得られた。 (1)禁煙者および現在喫煙者の非喫煙者に対する肺がん死亡率比はそれぞれ、男で2.36、4.53、女で2.93、3.54であった。禁煙者における肺がんリスクが非喫煙者レベルに低下するためには、禁煙後約20年が必要であった。(2)果実類や緑黄色野菜摂取によるリスク低下は喫煙経験者で大きかった。また高脂肪食品の摂取が、非喫煙女性肺がんのリスクを上昇させる可能性が示唆された。(3)飲酒は喫煙と独立した危険因子ではなかった。(4)ベースライン調査時点の男性のやせは肺がん死亡リスクと関連を示さず、むしろ20歳頃の肥満傾向がリスク上昇と関連していた。(5)男性非喫煙者では人生に対する肯定的態度が死亡率低下と関連していたのに対し、女性非喫煙者では逆の傾向で、type A的な行動パターンもむしろ低死亡率と関連していた。 保存血清による分析は項目の確定が遅れたが、カロテノイド、Mn-SOD、総コレステロール、葉酸、8-OH dG、および女性の脂肪酸分画(余剰血清があれば項目を追加)と肺がん死亡との関連をnested case-control study(肺がん死亡者約200名と対照約400名を比較)により検討する予定で、8-OH dG以外は血清の測定を開始している。文部省コホート全体で測定している項目(SOD活性、IGF-1、IGF-2、IGF-BP3、sFasおよびTGF-β1)についても、同様の検討を実施する。
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