研究課題/領域番号 |
12218234
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60117603)
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研究分担者 |
賀佐 伸省 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10142712)
遠藤 高夫 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40191928)
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キーワード | 消化器がん / マトリライシン / DCC / KAI-1 / ムチン分子 / 予後因子 |
研究概要 |
消化器がんについて、がん浸潤、転移に関連する分子あるいは遺伝子の中から、治療選択や予後と深いつながりのある生体マーカーを見い出そうとした。その結果、マトリライシンはがん浸潤、転移に関連する重要な分子であるばかりでなく、早期大腸癌の浸潤先端部に発現し、かつ予後にも影響を及ぼしている可能性が本研究により明らかにされた。同様の成績は食道癌についても認められた。また、マトリライシンと同時発現している分子にトリプシンが見い出され、分析の結果、トリプシンが非活性型のマトリライシンを活性型に変換させていること、マトリライシンとトリプシンの同時発現例は明らかに予後が不良であることを見い出した。さらに、食道バレット粘膜に大腸型ムチン分子の発現が高頻度であるばかりでなく、拡大内視鏡を用いてBarrett粘膜を観察しpit patternの型判定を行い、メチレンブルー染色能、ムチン形質との関係について検討したところ、5つの型に分類し得た。Pit4.5は全例に特殊円柱上皮が含まれており、pit1,2と比較して有意にメチレンブルー陽性率、腸型ムチン形質発現率が高く、細胞増殖能も高値であった。 今回はじめて試みられたpit pattern分類は組織学的所見、メチレンブルー染色能、ムチンの発現、細胞増殖能を反映していた。今後この変化が治療の選択に役立ち得るかなどについて、さらに研究を進める予定である。
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