研究課題/領域番号 |
12218242
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
田島 和雄 愛知県がんセンター(研究所), 疫学・予防部, 部長 (30150212)
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研究分担者 |
若井 建志 愛知県がんセンター(研究所), 疫学・予防部, 室長 (50270989)
広瀬 かおる 愛知県がんセンター(研究所), 疫学・予防部, 主任研究員 (00393124)
松尾 恵太郎 愛知県がんセンター(研究所), 疫学・予防部, 研究員 (80393122)
徳留 裕子 名古屋文理大学, 健康栄養学科, 教授 (90132472)
千葉 仁志 北海道大学, 医学部, 講師 (70197622)
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キーワード | 消化管がん / 民族疫学 / 北東アジア / 遺伝子多型 / 症例対照研究 / 予防対策 / 交互作用 |
研究概要 |
アジア太平洋地域におけるがんの予防対策の推進に資するため、北東アジア三国(日・中・韓国)の6研究施設が協力し、消化管がんの各国・地域における共通要因と特異的要因を探索する民族疫学研究を平成12年度から5年計画で展開してきた。第一に、全6地域の中核病院において地域特異性を考慮した半定量的食物摂取頻度調査票(SQFFQ)の開発し、消化管がんの症例対照研究への実用化を図った。第二に、日本の名古屋市、韓国のソウル市、中国の南京市と重慶市の4地域において大腸がんの症例対照研究による食・生活習慣など関する資料収集を終了し、要因探索のための解析を実施している。第三に、一般的な食・生活習慣と宿主特性の交互作用を検索するため、各種遺伝子型の検索に必要なDNA材料、および生化学的検索のための血漿なども合わせ収集し、解析中である。 平成16年度における解析結果から、日本人集団では大腸がんのリスクと結びつく食・生活習慣を明示することはできなかったが、中国や韓国では獣肉の頻回摂取など欧米型食嗜好習慣が大腸がんの危険要因に、一方では緑葉野菜、特に葉酸摂取が防御要因に結びついている可能性が示唆された。また、分子疫学的解析結果から、日本人のCD36遺伝子のA52C多型が頻回獣肉摂取によるリスク上昇を高める交互作用が見られた。 なお、脂質代謝に関連した酵素、解毒酵素、修復酵素などの遺伝子多型に焦点をあて、分子疫学的解析をさらに進めながら、三国間で大腸がんの要因に関する生活習慣と遺伝子多型の交互作用について比較検討を試みる。
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