研究課題/領域番号 |
12219201
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 雅 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40134621)
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研究分担者 |
鈴木 亨 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50334280)
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キーワード | 癌 / 細胞増殖 / シグナル伝達 / 蛋白質 / 蛋白質リン酸化 / 転写複合体 / プロテオーム / RNAi |
研究概要 |
ゲノムならびにプロテオーム解析の手法を取り入れ、Tobファミリー蛋白質やLATSファミリーキナーゼを中心とした細胞周期制御蛋白質の機能解析を進めた。前年度に引き続きマウス個体、細胞、分子のレベルで研究を進め、以下を明らかにした。(1)Tob/NOT複合体は10種を超えるNOT蛋白質群(Cnot1-Cnot10とCnot6L)からなることを示し、そのうちのCnot1が細胞増殖を正に制御することをRNAiによる発現抑制や遺伝子導入による過剰発現等により指摘した。(2)Tobと会合するCaf1(=Cnot7)を欠損するマウスではTob欠損マウス同様骨芽細胞の増殖分化が亢進し、骨密度の上昇が見られた。(3)CCR4(=Cnot6)やCnot7同様、CCR4類似蛋白質として新たに同定したCnot6LがRNAase活性を示すことを見出した。(4)酵母two-hybrid法により、Tobに会合する新規転写因子様蛋白質(ZATと命名)を見出した。ZATは被チロシンリン酸化蛋白質であり、そのチロシンリン酸化がTobとの会合に必要であることが示唆された。(5)Tobと会合するLATSファミリーキナーゼNdr2を独自に見出し、Ndr2が過剰発現により細胞増殖を抑制することを示した。またその抑制活性がTobによって制御されることを示唆した。(6)LATS2キナーゼはLIM蛋白質AjubaやZRP1と会合し、中心体複製、β-catenin依存的転写、そして細胞極性や細胞間接着に関与することを示した。特にAjubaは、Wntシグナル伝達系に関与し、β-catenin以外にGSK3βとも会合していることや少なくともin vitroでGSK3βによりリン酸化されることを示した。以上より、発癌に関与するTobやLATSファミリーキナーゼが、細胞増殖、分化の様々な局面で機能していることを示すとともに、その分子機構の理解を深めた。
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