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2001 年度 実績報告書

癌関連遺伝子による細胞の増殖・分化の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 12219207
研究機関名古屋大学

研究代表者

松本 邦弘  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70116375)

キーワード発生・分化 / シグナル電動 / 癌 / 生体分子 / 遺伝子
研究概要

酵母の系を利用して分離されたTAK1はMAPKKKファミリーに属し、動物細胞においてWntやTGF-β等のシグナル伝達経路で機能することを明らかにしてきた。TAK1はNLKMAPキナーゼと新規のカスケードを構成し、Wnt/β-cateninシグナル伝達経路を負に制御している。しかし、TAK1ムNLKMAPキナーゼカスケードが、どのうようなシグナルで制御されているかは明らかでなかった。本研究では、TAK1-NLK経路がWnt-5a/Ca2+シグナル伝達系の下流でCa2+/calmodulin-dependent protein kinaseIIを介して活性化されることを明らかにした。TGF-βシグナルは、細胞の増殖を制御する最も重要なシグナルのひとつである。その異常は細胞のガン化を引き起こすことが知られている。TGF-βの細胞内シグナル伝達には、Smadと呼ばれる一群のタンパク質がTGF-βに応答する遺伝子の発現を誘導し、最終的に細胞増殖を阻害することが明らかになっている。一方、最近ガン遺伝子産物であるSki/Sn oNが、TGF-β応答遺伝子の発現を抑制してTGF-βシグナルを負に制御する働きをしていることが示された。細胞がTGF-β刺激を受けるとSki/Sn oNは速やかに分解され、その負の制御が解除される。本研究で、TAK1が関わる新たな機構としてTGF-βによるSn oNの分解に働くことを明らかにした。このTAK1のSn oN分解誘導経路は、SmadによるSn oNの分解誘導経路とは異る機構を介しており独立して存在する。TGF-βによるSn oN分解は、この2つの経路を含む複数の経路によって引き起こされていると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Inoue, H.et al.: "Drosophila MAPKKK, D-MEKK1, mediates stress responses through actiration of p38 MAPK"EMBO Journal. 20・19. 5421-5430 (2001)

  • [文献書誌] Suzuki, N.et al.: "A putative GDP-GTP exchange factor is required for development of the excretory cell in C.elegans"EMBO Reports. 2・6. 530-535 (2001)

  • [文献書誌] Takaesu, G.et al.: "Interleukin-1(IL-1) receptor-associated kinase leads to activation of TAK1 by inducing TAB2 translocation in the IL-1 signaling pathway"MOLECULAR AND CELLULAR BIOLOGY. 21・7. 2475-2484 (2001)

  • [文献書誌] Tanaka Hino, M.et al.: "SEK-1MAPKK mediates Ca^<2+> signaling to determine neuronal asymmetric development in C.elegans"EMBO Reports. 3・1. 56-62 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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