研究課題/領域番号 |
12219210
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
月田 承一郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (50155347)
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研究分担者 |
足立 誠 京都大学, 医学研究科, 助手 (30335244)
久保 亮治 京都大学, 医学研究科, 助手 (70335256)
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90281089)
月田 早智子 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00188517)
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キーワード | 上皮細胞 / タイトジャンクション / クローディン / オクルディン / 血液脳関門 / ERM蛋白質 / Snail / メルリン |
研究概要 |
本研究では,タイトジャンクション(オクルディン・クローディン)の解析とERM(エズリン・ラディキシン・モエシン)蛋白質の解析を通して、上皮細胞そのものの分子レベルでの理解をさらに深めることにより、細胞がん化のメカニズムに迫ることを目指した。本年度の主な成果のうち、大きく進展した点は以下の4点である。 1.クローディン-5ノックアウトマウスの作製に成功した。このマウスの脳では低分子量物質に対する血液脳関門が破壊されていた。この事実は、脳腫瘍も含めた中枢神経疾患へのドラッグデリバリー法の開発という観点からきわめて興味深い。 2.転写因子Snailは、がんの転移過程や個体発生過程において重要な上皮・間葉転換のスイッチとして働く。このSnailが、オクルディンとすべてのクローディンの遺伝子のプロモーター領域のE-boxに直接結合し、それらの転写を完全に抑制することを見出した。 3.クローディン-11ノックアウトマウスの作製に成功した。このクローディンは精巣のセルトリ細胞に特異的に発現しているが、このノックアウトマウスでは、いわゆる血液精巣関門が破壊されていた。さらに、精祖細胞もなくなっていた。 4.ERMに似たがん抑制遺伝子として注目されているNF2遺伝子の産物(メルリン)の構造をX線解析により明らかにした(奈良先端大・箱嶋教授との共同研究)。基本的には、ERM分子の構造と酷似していた。
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