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2000 年度 実績報告書

癌細胞の動態を制御する新規分子群の同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 12219211
研究種目

特定領域研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

宮坂 昌之  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50064613)

研究分担者 村井 稔幸  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20311756)
川島 博人  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50260336)
田中 稔之  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30217054)
キーワードCD44 / 血行性転移 / プロテオグリカン / 細胞接着 / 血管内皮細胞
研究概要

われわれは癌細胞の動態を制御する新規分子群の解析のために、(1)上皮系癌細胞転移関連分子CD44の新規リガンドの探索、および(2)癌細胞の血行性転移に必須のプロセスである癌細胞の血管外移動(transmigration)に関与する新規分子の探索を行った。まず前者においては膜貫通型蛋白質CD44の可溶型レコンビナント蛋白CD44-Igを作成し、新規結合物質を探索した結果、種々のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンがCD44に特異的に結合し、この結合はプロテオグリカン上のコンドロイチン硫酸鎖を介することが明らかになった。CD44陽性癌細胞は既知のリガンドであるヒアルロン酸のみならず、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンを介しても細胞接着を行い、また予備的解析結果では両者のリガンド上でローリング現象も示す。このことは癌細胞がCD44を介して糖鎖依存的にヒアルロン酸以外の宿主の細胞外基質構成成分と相互作用を行い、接着することが出来ることを示す。また後者の解析ではリンパ球のtransmigrationが常時見られる血管であるリンパ節高内皮細静脈(HEV)に選択的に発現する遺伝子探索の中から癌細胞の新生血管に高発現する分子mac25を同定した。mac25は血管基底膜側に強い発現が見られ、in vitroの解析では基底膜構成成分と接着作用をもつとともに、内皮細胞に働いてprostacyclinを産生させることが出来る。これは血管の透過性亢進につながることが考えられ、本分子が癌組織内の新生血管での高発現により癌細胞の血管外移動の調節に関与する可能性を示唆するものである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Izawa,D.: "Expression profile of active genes in mouse lymph node high endothelial cells."Int.Immunol.. 11. 1989-1997 (1999)

  • [文献書誌] Kuno,K.: "ADAMTS-1 cleaves a cartilage proteoglycan, aggrecan."FEBS Letters. 478. 241-245 (2000)

  • [文献書誌] Kawashima,H.: "Interaction of chondroitin sulfate proteoglycans with selectins, CD44, and chemokines."Trens in glycosci.glycotechnol.. 12. 283-294 (2000)

  • [文献書誌] Kawashima,H.: "Binding of a large chondroitin sulfate proteoglycan, versican, to L-selectin, P-selectin and CD44"J.Biol.Chem.. 275. 35448-35456 (2000)

  • [文献書誌] Hirose,J.: "Versican interacts with chemokines and modulates cellular responses."J.Biol.Chem.. 276. 5228-5234 (2001)

  • [文献書誌] Fujimoto,T.: "CD44 binds a chondroitin sulfate proteoglycan aggrecan."Int.Immunol.. 13. 359-366 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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