研究課題/領域番号 |
12219213
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長田 重一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70114428)
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研究分担者 |
福山 英啓 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70303956)
田中 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00294059)
福永 理己郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40189965)
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キーワード | アポトーシス / ネクローシス / カスパーゼ / マクロファージ / DNA断片化 / ミトコンドリア / Fasリガンド |
研究概要 |
細胞死は大きくアポトーシスとネクローシスに分けられている。私達はこれまで、アポトーシスを誘導するサイトカインFasリガンドを同定し、アポトーシスの過程ではカスパーゼと呼ばれる特異的な蛋白質分解酵素が連続的に活性化され、これがCADと私達が同定・命名したDNaseを活性化し、細胞を不可逆的に死におちいらせることを示してきた。本年度はCAD遺伝子を欠失したマウスを樹立した。このマウスの胸腺細胞はin vitroでは種々のアポトーシス刺激によりDNA断片化は起こらないがin vivoでは野生型のマウスと同程度のDNA断片化が観察された。そして、胸腺細胞の免疫化学的解析、in vitroでのアポトーシス細胞とマクロファージの共培養(co-culture)などから、マクロファージはアポトーシスを起こしている細胞を特異的に認識、これを貪食し、DNAの断片化を引き起こすことを認めた。ところで、Fasリガンドによるカスパーゼの活性化においてはまず、カスパーゼ8が活性化される。私達は、このカスパーゼ8を欠失したヒト細胞株を見いだした。この細胞ではFasリガンドの刺激により細胞はアポトーシスを引き起こさなかった。しかし、長時間、過剰のFasリガンドで処理すると、細胞はネクローシスの形態を経て死滅した。この過程ではミトコンドリアの膜電位が顕著に低下したがアポトーシスの過程で見られるチトクロームCのミトコンドリアからの放出は認められなかった。また、ある種の抗酸化剤がこの過程を抑制することを認めた。以上の結果はFasリガンドはアポトーシスばかりでなくネタローシスの過程をも活性化することを示している。
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