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2002 年度 実績報告書

TGF-βシグナルの分子機構とヒトがんにおける異常

研究課題

研究課題/領域番号 12219217
研究機関東京大学

研究代表者

宮園 浩平  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90209908)

研究分担者 宮澤 恵二  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40209896)
今村 健志  (財)癌研究会, 癌研究所生化学部, 主任研究員 (70264421)
キーワードTGF-β / Smad / シグナル伝達 / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / ユビキチン化 / 転写因子 / BMP
研究概要

本研究ではTGF-βによる細胞増殖制御機構の研究を行った。Smadシグナルの負の調節機構に関して、抑制型Smadの機能領域を詳細に明らかにした。さらに抑制型Smadの作用を修飾するユビキチンリガーゼSmurf1が抑制型Smadを核から細胞質へ移行させるメカニズムを明らかにした。またSmurf1がBMP特異型Smadに直接結合しユビキチン化するだけでなく、抑制型のSmad6/7を介することによって、BMPのI型受容体及びBMP特異型Smadに結合し,これらをユビキチン化してプロテアソームでの分解に導くことを明らかにし、Smurf1が多段階でシグナルを抑制する機構を示した。
転写のco-repressorであるSkiのSmad3との結合領域を解明し、Skiのmutant体を用いてTGF-βとBMPシグナルの抑制機構の相違を明らかにした。c-SkiとSnoNは、Smad3のMH2ドメイン内のSE配列とその近傍に位置するQPSMT配列に結合することが明らかになった。c-Skiの結合はSmadのオリゴマー形成や、Smad2/3と他の転写因子FAST1/FoxH3、Mixerとの結合には影響を与えなかった。これらの結果は今後、Smadによる転写活性を調節する薬剤をデザインするうえで貴重な情報となると考えられた。
SmadシグナルとWnt/β-cateninシグナルのクロストークを示し、Smadシグナルに抵抗性になるさいにLEF1が重要な役割を果たしていることを示した。また骨肉腫細胞MG63を用いTGF-βの増殖促進作用にはPDGF-AAが密接に関与していることを明らかにし、TGF-β阻害剤だけでなくグリベックがTGF-β増殖促進作用を遮断することを示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Mizuide, M., et al.: "Two short segments of Smad3 are important for specific interaction of Smad3 with c-Ski and SnoN"J. Biol. Chem.. 278・1. 531-536 (2003)

  • [文献書誌] Ito, Y., et al.: "RUNX transcription factors as key targets of TGF-β superfamily signaling"Cuff. Opin. Genet. Dev.. 13・1. 43-47 (2003)

  • [文献書誌] Sasaki, T., et al.: "Lymphoid enhancer factor 1 makes cells resistant to transforming growth factor β-induced repression of c-myc"Cancer Res.. 63・4. 801-806 (2003)

  • [文献書誌] Hamamoto, T., et al.: "Compound disruption of Smad2 accelerates malignant progression of intestinal tumors in Apc knockout mice"Cancer Res.. 62・20. 5955-5961 (2002)

  • [文献書誌] Suzuki, C., et al..: "Smurf1 regulates the inhibitory activity of Smad7 by targeting Smad7 to the plasma membrane"J. Biol. Chem.. 277・42. 39919-39925 (2002)

  • [文献書誌] Ring, C., et al.: "The role of a Williams-Beuren syndrome-associated helix-loop-helix domain-containing transcription factor in activin/nodal signaling"Genes Dev.. 16・7. 820-835 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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