研究課題/領域番号 |
12301001
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研究機関 | 華頂短期大学 |
研究代表者 |
落合 俊典 華頂短期大学, 生活学科, 教授 (10123431)
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研究分担者 |
デレアヌ フロリン 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 助教授 (10271404)
梶浦 晋 京都大学, 人文科学研究所・付属漢字情報研究センター, 助手 (80293950)
後藤 昭雄 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80022284)
STEFANO Zacchetti 創価大学, 国際仏教学高等研究所, 助教授 (10339765)
金水 敏 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70153260)
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キーワード | 天野山金剛寺 / 金剛寺一切経 / 安般守意経 / 十二門経 / 安世高 / 釈道安 / 一切経のデジタル化 / 訓点資料 |
研究概要 |
本研究は、(1)金剛寺一切経の基礎的研究と、(2)新出仏典の研究の2部門に分かれる。以下それぞれの進捗状況を報告する。 (1)においては、金剛寺一切経の整理作業と約4千巻の経巻の法量を採りデータ化するとともにデジタル化し全体像を把握するものである。今年度は現地調査を前後十回個実施じ、12年度に引き続き第二次調査カード作成に注力した。その結果1千3百巻分のカードを作成することが出来た。一方デジタル化においては画像処理の安定化と速度化に苦慮し試行錯誤の連続であった。しかし3百巻弱の経巻のデジタル化(CD・DVD)とその使用マニュアルを確立することが出来た。 つぎに、(2)の新出仏典の研究においては、インド部派仏教時代の禅定修行の具体的様相を伝える金剛寺本『安般守意経』と『十二門経』の解読を大いに進めることに成功した。当初、漢語に成り切っていない漢語文献を原典のサンスクリット語・パーリ語に還元することが全く出来なかったが、新進気鋭のイタリア人研究者Stefano Zacchetti氏の参加によって最大の難関を突破することが可能となった。それは氏の研究によって従来知られていた刊本『安般守意経』の一部と対応するパーリ語文献を見いだすことができ、翻訳者安世高の翻訳方法の特色を解明することが出来たからである。もちろんこの方法によって新出仏典すべてが解読できるということではないが、解明のための確実な鍵を入手したことに相違はなく、本研究の成果が世界の先端の仏教研究に寄与するであろうと確信する。
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