職業・専門教育と雇用・就職の関連構造に関する日独中比較研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12301015
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 寺田 盛紀 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (80197805)
• 研究分担者: 夏目 達也 東北大学, アドミッションセンター, 教授 (10281859) ; 永田 萬享 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70155935) ; 大河内 信夫 千葉大学, 教育学部, 教授 (40026620) ; 坂野 慎二 国立教育政策研究所, 総括研究官 (30235163) ; 金井 篤子 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 助教授 (80262822)
• キーワード: 職業教育 / 高等教育 / 就職 / インターンシップ / キャリア教育 / 職業指導 / ドイツ / 中国

研究概要

本研究は、職業・専門教育と雇用・就職の関連構造を、(1)学校側の関連づけ、(2)職業指導・職業斡旋機関の教育支援活動、(3)企業の雇用活動・人材開発の3つの側面から分析することを課題にしている。本年度は各人の担当課題とともに、(1)の「学校側からの関連づけアプローチ」として世界的規模で推進されている「インターンシップ」に焦点をあて、日・独・中の中等教育および高等教育におけるその基礎的調査研究を実施した。
個人研究でいえば、わが国の職業教育とその研究の課題を明らかにした寺田の研究(中国・華東師範大学学報にも翻訳掲載)や伊藤の編著、わが国企業内教育のシステム変容を実証的に調査した永田の研究やブルーカラー労働者のキャリア形成とメンタルヘルスの関係を明らかにした金井の研究(国際誌に掲載)、さらに高等学校のキャリア教育、職業・進路指導の実態を事例分析的に検討した寺田、金井、夏目、堀内らの研究が主な成果である。
本年度の重点課題であるインターンシップの研究については、日独中の3か国の制度・政策分析、ケーススタディー(インタビュー調査)が研究者の相互乗り入れ方式でなされた。ドイツの中・高等教育に関する調査研究の成果は寺田、坂野、吉川、ゲオルグ、デーメスの共同で、昨秋の日本産業教育学会大会で発表された(産業教育学研究第32巻第1号に掲載)。日本の高校、大学におけるインターンシップについては、全国レベル(寺田、田中)および大阪、和歌山、京都、愛知などの個別学校レベルの事例研究を行った(伊藤一雄他)。中国の現状については、石(短期高等教育)、銭や堀内(中等職業教育)によりやはり地域・個別学校レベルの校内実習、企業実習の事例が分析された。これらの成果は、本研究の中間報告書「中・高等教育におけるインターンシップの日独中比較研究」として近く自家発行の予定である。

研究成果

• [文献書誌] 寺田盛紀: "日本における職業教育研究の発展と課題"職業と技術の教育学. 14号. 43-61 (2001)
• [文献書誌] 寺田盛紀: "キャリア教育の構想"中等教育センター紀要. 1号. 35-42 (2001)
• [文献書誌] 金井篤子: "キャリア形成について"中等教育研究センター. 1号. 23-34 (2001)
• [文献書誌] Kanai, A., Wakabayashi, M.: "Workaholism among Japanese Blue-collar employees"International Journal of Stress Management. 8巻2号. 129-145 (2001)
• [文献書誌] 永田萬享: "転換期における社立学校の展開と今日的特徴"福岡教育大学紀要 第4分冊教職科編. 第51号. 293-326 (2002)
• [文献書誌] 夏目達也: "高校職業教育における就職準備と進学準備"悠峰職業科学研究紀要. 9巻. 1-11 (2001)
• [文献書誌] 堀内達夫: "フランスにおける雇用状況と青年キャリア"技術教育研究. 59巻. 44-51 (2001)
• [文献書誌] 石偉平: "西方STW比較分析框架述評"教育発展研究. 4号. 12-15 (2001)
• [文献書誌] 石偉平: "高等職業教育過程的国際比較"職教論壇. 10号. 8-12 (2001)
• [文献書誌] ヴァルターゲオルク, 寺田盛紀, 他: "ドイツにおける「インターンシップ」"産業教育学研究. 32巻1号. 24-28 (2002)
• [文献書誌] 伊藤一雄, ほか: "専門高校の国際比較"法律文化社. 168 (2001)