研究課題/領域番号 |
12301017
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 昌二 新潟大学, 人文学部, 教授 (30036470)
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研究分担者 |
高濱 信行 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (20018948)
矢田 俊文 新潟大学, 人文学部, 教授 (40200521)
芳井 研一 新潟大学, 人文学部, 教授 (90092634)
橋本 博文 新潟大学, 人文学部, 教授 (20198691)
卜部 厚志 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (20281173)
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キーワード | 古文書 / 古絵図 / 考古学 / 地形 / 地質 / ジオスライサー / 渟足柵 / 蒲原津 |
研究概要 |
(1)古文書・古絵図班は、昨年度、貞享古絵図により淳足柵の故地王瀬を現地比定したことに続き、本年度は延喜式記載の古代蒲原津の位置を古絵図砂丘金鉢山(蒲原神社旧地)付近に求め、4つの現地点と古絵図との対比を手がかりに位置を確定して古絵図をデフォルメし、さらに砂丘地と非砂丘地とを昭和39年新潟地震液状化.調査結果と対照して、現地比定図を作L戊する成果を上げた。 (2)考古班は、地形・地質班と協力し、ジオスライサーによる王瀬地区地層調査での考古遺物の検証を行った。土器等の明瞭な遺物を採取できなかったが、昨年度来のC_<14>=1180±30年の数値がある地層直下の古土壊の花粉、プラントオパール、珪藻等の分析結果から、稲作の行われていた古環境が復元できた。これは、貞享絵図における王瀬田地とある記載を事実として裏付け、またその起源を遡らせるとともに、調査付近における平安末期集落の所在を推定せしめる成果となった。 (3)地形・地質班は、昨年度のボーリング調査に引き続き、今年度は地震調査用のジオスラィサーによる初めての考古学的調査に使用するという方法に途を切り開いた。同時に得られた精緻な地層標本により、河口地帯の砂丘と平野との形成に、デルタシステムのみならず、ラグーンバリアーシステムの2つの営力と仕組みが作用しているとする新しい見解を得るという成果があった。 (4)各班の調査研究打ち合わせと公開研究会・シンポジウムとを各3回、また今年度は特に関係地域の情報・研究交流会を行うことができ、次年度のまとめと補充調査への参考とした。また研究会とシンポには日本人研究者のみならず、連合王国と合衆国との研究者を招請して、課題と問題の共有を図り、次年度における地域的具体的な成果の普遍性追求と、世界的視野からのアプローチを準備する成果があった。
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