研究課題
本年度も、研究裸題を明らかにするため、代表者及び分担者は、それぞれ、引き続き中国などへの資料収集を実施し、各研究課題の検討を進めた。また、諸外国の研究者との意見交換を積極的に行うために、中国、韓国、台湾から研究者を招聘し、2002年1月、「20世紀中国の構造的変動と辛亥革命」という国際ワークショップを開催し、意見交換を行った。このワークショップは、代表者、分担者の研究課題ごとのセッションを組み合わせたものであり、科研研究費による研究成果の公表の意味を併せもたせたものである。幸いにして、約100人の研究者の参加を得て、さまざまな面での意見交換を行った。尚、その内容については、研究会のホーム・ページ(www.econ.ynu..ac.jp/member/Iijima/2001toppage.htm)で紹介している。20世紀中国の構造的変動を問題にする場合、1911年の辛亥革命は、長く続いてきた中国の王朝体制の終焉という意味で大きな画期点の一つである。従来から、社会構造そのものの変化は、大きくなかったと考えられてきたが、これに対して、20世紀初頭の辛亥革命が日本を含む周辺地域、例えば、モンゴル、トルキスタンなどに与えた影響は大きかった。また、中央政治、地方政治の面でも、制度改革がすすめられる中でさまざまな変化が発生しており、辛亥革命を1911年の政治的事件としてとらえた場合、その社会構造に与えた影響は大きくはなかったが、20世紀初頭以来の制度改革の中で、辛亥革命という王朝体制の終焉が準備されたと考えれば、その変化の側面を見逃すことは出来ないことが確認された。諸外国の研究者との意見交換の中で、あらたな視点、研究成果も明らかとなった。次年度以後、こうした課題も継続的に研究する予定である。
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