研究課題/領域番号 |
12301024
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
原口 庄輔 明海大学, 外国語学部, 教授 (50101316)
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研究分担者 |
田端 敏幸 千葉大学, 外国語センター, 教授 (00135237)
岡崎 正男 茨城大学, 人文学部, 助教授 (30233315)
窪薗 晴夫 神戸大学, 文学部, 教授 (80153328)
劉 勲寧 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (90261750)
中本 武志 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (10292492)
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キーワード | 音韻理論 / アクセント / 語アクセント / 統率音韻論 / 最適整理論 / インターフェイス / 北方方言(中国) / 音節方言 |
研究概要 |
本年度は、本研究の最終年度である。これまでの研究の成果のとりまとめを行いつつ、国際会議などにおいて、成果の一端を発表した(原口・窪薗・田端・劉など)。本研究は、国際的スタンダードで行われた研究であり、4年間で国際会議での成果発表が数多くなされた。 (1)最適性理論(OT)と音韻論・音声学の関係を巡って音韻理論の理論的整備を図り、音韻現象と音声現象について検討し、国際学会において成果の一端を報告した。(原口)。 (2)前年度に続き、日本語の2方言(東京方言と鹿児島方言)のアクセントを中心に研究を進めた。東京方言については「2モーラ+2モーラ」以下の長さを持つ複合名詞のアクセントの実態を統計的に明らかにした。鹿児島方言については現地アクセント調査を行うと同時に、二重母音と連母音の境界及び音節方言の時間制御の実態を分析した。(窪薗)。 (3)特に、語アクセント位置を決定する際に何が基準となるかについて考察し、古典ギリシャ語のアクセントおよび英語の頭文字語のアクセントに関し新しい分析を提案した(田端)。 (4)音韻論と他の部門のインターフェイスの研究のうち、詩の構造を中心に研究を行い、次の二つの分野について論文を発表した。(1)古ノルド語の頭韻詩エッダの構造の研究、(2)現代英語の歌の歌詞の構造の研究(岡崎)。 (5)14世紀の韻書『中原音韻』の音韻システムの特徴を考究上、現代中国の北方方言の関係を解明し、いくつかの新しい知見を得て、その成果の一端を国内外で発表した。(劉)。 (6)英語の音節構造、特に語中の音連鎖の規則性に関して、新しい知見を得た。また、最適性理論の制約の分類整理にも着手した。(本間)。 (7)フランス語については、まず鼻母音の分節音表示を統率音韻論に基づいて設定し、リエゾンや女性形形成における口母音化を最適性理論の枠組みで説明するとともに、方言差を制約階層の違いによって記述した。また潜在的子音の表示について、女性形の派生や同形語における品詞によるリエゾンの有無が、最適性理論において語彙層を分離することによって説明できることを明らかにした。(中本)。
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