研究課題/領域番号 |
12303002
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
宮川 公男 麗澤大学, 国際経済学部, 教授 (60017473)
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研究分担者 |
大山 耕輔 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (40185400)
山本 清 国立学校財務センター, 研究部, 教授 (60240090)
田尾 雅夫 京都大学, 経済学研究科, 教授 (40094403)
吉田 浩 東北大学, 経済学研究科, 助教授 (60275823)
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キーワード | NPM / 英国 / 行政改革 / 政策評価 / 財政 / 会計 / エージェンシー / 独立行政法人 |
研究概要 |
本年度は英国の行政改革を中心に調査検討を行った。とりわけ、我が国への影響が大きいとされる財政・会計制度、政策評価、公務員制度改革、エージェンシー制度の4項目につきいかなる背景で、どのような理論により、何を達成しようとしているのか、また、所期の効果を挙げているかにつき分析を実施した。広範な領域を的確に分析し同時に我が国への示唆を得るため、研究分担者の英国エジンバラ大学のラプスレイ教授(海外共同研究者)と政策評価とエージェンシーの権威者であるエラスムス大学のポリット教授を招き検討会と比較のための実態調査を実施した。その結果、判明した主要な事項は以下のとおりである。 (1)財政・会計制度については、1980年代の公企業や地方自治体における改革が先行して、発生主義会計の導入、ついで発生主義予算という順で時間をかけて改革を進めている。この際、会計検査院や会計専門職が改革に深く関与している。 (2)政策評価は、NPMの流れのなかで、業績測定が中心であるが、これも1980年代の大蔵省での指針を初めとする試行のなかで発展してきたものである。自治体のベストバリュー政策でも自治体間比較のための全国共通指標と自治体固有の指標を設定し、ベンチマーキングと学習による効率化と質の向上を図っている。 (3)公務員制度は、業績給制度が1980年代に上級公務員に適用され、最近では教育職にも拡大されようとしているが、評価と資源配分の連動は予算が中心であり給与への反映はそれほど強くはない。成果志向への組織文化の変革と公務員倫理との両立が課題である。 (4)エージェンシー制度は、我が国の独立行政法人のモデルになったが、労働党政権下で政府全体の政策への貢献が重視され、大きなエージェンシーへの統合、省庁の内部部局化が民営化と併存して実施されている。エージェンシーの類型による最適組織化が図られている。
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