研究課題/領域番号 |
12303002
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
宮川 公男 麗澤大学, 国際経済学部, 教授 (60017473)
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研究分担者 |
大山 耕輔 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (40185400)
山本 清 国立学校財務センター, 研究部, 教授 (60240090)
田尾 雅夫 京都大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40094403)
吉田 浩 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60275823)
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キーワード | 行政改革 / ガバナンス / 民営化 / アウトカム / アウトプット / 企業的経営 / コーポレート・ガバナンス / 協働 |
研究概要 |
本年度はニュージーランドとオーストラリア両国を対象に行政改革をガバナンスと経営に焦点をあてて理論的・実証的研究を行い、あわせて研究の最終年度であることから、両国及び米国、英国とわが国との国際比較を含め全体のとりまとめを行った。得られた事項は以下のとおりである。まず、ニュージーランド及びオーストラリアに関しては、(1)基本モデルとして当初ニュージーランドはアウトプット重視の政府経営をめざし、一方のオーストラリアはアウトカムを目指していた。 (2)しかしながら、ニュージーランドは近年アウトカム重視に移行し、予算・会計や戦略計画でも長期的な志向を強めている。 (3)オーストラリアもアウトカム重視であるものの実務面ではアウトプット管理が中心であり、発生主義予算を適用している。 また、5ヵ国の国際比較から得られた結果と政策的含意は次のとおりである。 (1)各国の行政改革は地域的及び時間的に基本原理は小さな政府像に基く市場モデルから、企業経営的モデルの適用、そしてガバナンスやネットワークも配慮したモデルに発展してきている。 (2)具体的には民営化、(1)民間委託や内部市場による政府経営が導入され、次に(2)企業モデルやコーポレートガバナンスを強調する企業的経営が続き、現段階は(3)公的部門内の関係機関の協調や民間部門との協働あるいは市民参画にいたっている。 (3)(1)ではコスト、(2)では技術効率、(3)では有効性と配分効率が焦点となるが、わが国は現在(2)の段階にあるが、伝統的モデルとの折衷状態で完全に移行していない点が成果を十分挙げていない原因の一つになっている。
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