研究課題/領域番号 |
12303005
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
古賀 智敏 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (70153509)
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研究分担者 |
はげ山 幸繁 広島県立大学, 経営学部, 教授 (20072001)
田中 建二 日本大学, 経済学部, 教授 (60096857)
武田 隆二 大阪学院大学, 流通科学部, 教授 (80030708)
浦崎 直浩 近畿大学, 商経学部, 助教授 (60203600)
河崎 照行 甲南大学, 経営学部, 教授 (10122227)
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キーワード | デリバティブ / デリバティブ会計 / 公正価値 / リスク管理 / デリバティブ課税 |
研究概要 |
本研究は、主要諸外国(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、フランス、オランダ、スイス、中国)、日本および国際会計基準を対象として、デリバティブに関する会計基準や指針、監査上の取扱いや税法上の規定並びに評価損益の課税上の取扱いについて、幅広く、かつ、体系的に研究しようとするものである。 第1年度においては、上記諸外国および日本について広く関連文献の収集と緻密な文献研究を行ってきたが、特にアメリカ、ドイツ、フランス、オーストラリア、およびスイスの4ケ国において次のような成果を得ることができた。 1 アメリカ、ドイツ、フランス、およびスイスを対象として、デリバティブに関する会計基準や指針の具本的詳細について検討を行った。その結果、アメリカではデリバティブ等の金融商品に最も適合した測定属性として公正価値が浸透しているのに対し、ドイツ等におけるデリバティブ会計は、現時点では、基本的には商法典に規定された実現原則等の制約のもとで行われていることが判明した。 2 アメリカ、およびオーストラリアを対象として、デリバティブに関する税法上の規定並びに評価損益の課税上の取扱いについて研究を行った。そこではアメリカのデリバティブ課税に見られるように、統一的かつ包括的な課税ルールは現段階では確立されていないことが明らかになった。 3 日本の東証一部・二部上場の全企業を対象として、デリバティブの利用実態とリスク管理について、質問票調査を行い、実務実態と問題点の分析を進めつつある。 4 次年度以降の実態調査・実証研究に備えて、研究代表者を中心として他2名を調査員としてイギリスおよびオーストラリアを訪問して予備調査を行うとともに、オーストラリア・グリフィス大学から2名の専門家を招聘し、本格的な国際共同研究の準備をした。 5 研究代表者他3名による公開講演会を3回ほど開催し、広く本研究成果の社会的還元に努めた。 以上の第1年度における研究成果を踏まえて、第2年度においては、他の諸外国および日本について個別的研究を行い、研究を一層深化・拡充させることにしたい。
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