研究課題/領域番号 |
12304009
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
大橋 隆哉 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70183027)
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研究分担者 |
佐々木 伸 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (80262260)
石崎 欣尚 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (10285091)
山崎 典子 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (20254146)
藤本 龍一 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手
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キーワード | X線天文学 / 銀河団 / マイクロカロリメータ / 銀河間物質 / クェーサー / X線スペクトル / SQUID / 低温検出器 |
研究概要 |
本年度は計画の初年度にあたる。2000年2月にX線天文衛星ASTRO-Eの打ち上げが失敗し、銀河間物質の本格的な分光観測は、2005年のASTRO-EIIの打ち上げを待つこになったが、「あすか」によるマッピング観測を用いた銀河間物質のX線観測研究を進めた。特におとめ座銀河団、ペルセウス銀河団などから特異な温度分布を発見し、銀河団の形成がボトムアップ的に現在も続いていることを確かなものとした。今後チャンドラ、ニュートン衛星を用いた詳細な観測を進める計画である。 またQSOのスペクトルに吸収構造がないことから銀河間物質の電離状態に制限を与えた。最近のニュートンの観測によると、銀河団中心部は、クーリングフローモデルが予想するほど強く冷却されておらず、何らかの熱源の存在することが新たに示唆された。本研究でも、この現象を説明するための理論的なモデルを考察した。 一方ハードウェア開発では、TES型マイクロカロリメータのエネルギー分解能向上を目指して精力的に実験が行なわれ、0.5mm×0.5mmのX線吸収体をつけたTi-Auカロリメータ(宇宙研、早稲田大で製作)を用いて6keVのX線に対して100eVを切る分解能が得られた。この性能をさらに高めるために、TESの温度計部分の超伝導遷移特性を改善するとともに、SQUIDアンプを用いた低雑音の信号読み出しを行なう実験を始めている。
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