研究課題
スパレーション中性子による超流動ヘリウム内での超冷中性子発生実験を行った。前年度、超冷中性子の発生を実験で確認したが、この方法による超冷中性子発生は、世界で始めてのものであるため、超流動ヘリウムの温度を変え、また、超冷中性子検出器の前に超冷中性子を完全に反射するニッケル8μのフォイルを置き、再度、超冷中性子を発生させ、超冷中性子を計数した。超冷中性子の振る舞いから予想される温度変化と超冷中性子反射による計数の減少を観測した。超冷中性子検出効率の研究を行い、今回の実験容器内での超冷中性子数を求めた。結果は、100neVの超冷中性子に対して、陽子ビーム出力156Wで、超冷中性子密度は、1.4/cm^3となり、これは現在、世界最強のフランス・グルノーブルの値に匹敵すると判明。Phys.Rev.Lett.に発表した。陽子ビーム強度を上げ、超流動ヘリウム温度を下げると、超冷中性子強度はグルノーブルを3桁上回ると期待できる。
すべて その他
すべて 文献書誌 (1件)