研究課題/領域番号 |
12304014
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
増田 康博 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (60150009)
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研究分担者 |
鬼柳 善明 北海道大学, 工学部, 教授 (80002202)
猪野 隆 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (10301722)
武藤 豪 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (90249904)
樋口 正人 東北学院大学, 工学部, 教授 (60048791)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 超冷中性子 / 対称性 / Phys,Rev.Lett / 89 / 24801 / 2002 |
研究概要 |
本研究の目的は、超冷中性子を用いてベータ崩壊の実験を行うことにあった。このためには、実験容器内での超冷中性子密度を飛躍的増強が不可欠であった。そのため、超冷中性子源の革新を行うことを研究の中心においた。まず、スパレーション中性子による超流動ヘリウム内での超冷中性子発生法の研究、それに基づく新世代超冷中性子源の開発、そしてその実証実験を行った.超冷中性子発生用スパレーション中性子源、重水熱中性子、冷中性子モデレータ、超流動ヘリウム冷凍器の製作を行い、スパレーション中性子を超流動ヘリウム内で、超冷中性子に変換し、観測することに成功した。この方法による超冷中性子発生は、世界で始めてのものであるため、超流動ヘリウムの温度を変え、また、超冷中性子検出器の前に超冷中性子を完全に反射するニッケル8μのフォイルを置き、超冷中性子計数の変化を観測し、超冷中性子計数をより確実なものにした。超冷中性子の振る舞いから予想される温度変化と超冷中性子反射による計数の減少を観測した。超冷中性子検出効率の研究を行い、実験容器内での超冷中性子数を求めた。結果は、100neVの超冷中性子に対して、陽子ビーム出力156Wで、超冷中性子密度は、1.4/cm^3となり、これは現在、世界最強のフランス・グルノーブルの値に匹敵すると判明。Phys. Rev. Lett.に発表した。陽子ビーム強度を上げ、超流動ヘリウム温度を下げると、超冷中性子強度はグルノーブルを3桁上回る見込みである。
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