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2002 年度 実績報告書

バルク敏感超高分解能角度分解光電子分光とミクロ領域の分光

研究課題

研究課題/領域番号 12304015
研究機関大阪大学

研究代表者

菅 滋正  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40107438)

研究分担者 関山 明  大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (40294160)
今田 真  大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (90240837)
キーワード軟X線 / 光電子 / バルク / 角度分解光電子分光 / 強相関物質 / フェルミ面 / バンドマッピング / 高分解能
研究概要

強相関電子系の種々の物質の価電子帯領域のバンド分散あるいはコヒーレントピークやインコヒーレントピークの波数空間での振る舞いを知ることが、それらの物質のバルク電子状態の本質を知る上で極めて重要である。そこで本研究では高いエネルギー分解能を持つ軟X線領域の光エネルギーで光電子の運動エネルギーを数百eVより大きく取ったうえで角度分解光電子分光(ARPES)を行った。この手法では電子の平均自由行程による表面敏感性を逃れてバルク敏感な光電子分光が可能である。
本年度はまず低温で超伝導を示すCd_2Re_2O_7について内殻吸収スペクトルならびに角度積分光電子測定の温度変化の測定を行った。その結果200K付近の相転移に比べて120K付近の相転移で電子状態の混成が大きく変化することがわかった。つぎにこれまでの低エネルギー測定で表面敏感な電子状態が報告されている重い電子系CeRu_2Si_2のin situへきかい面について軟X線でARPESを行った。Ce3d-4f励起の共鳴状態と共鳴を離れた励起でのARPESを行い、後者ではS/Nの良いバンドマッピングに成功した。前後して電子エネルギー分析器の取り付け位置の変更や、光の集光を1/10に小さくするよう光学系を改善することで実験系の著しい改良が進み、試料を取り付けたクライオスタットを垂直軸周りに回転して測定を繰り返すだけで2次元バンドマッピングが可能になった。そこで低温でspin3重項超伝導を示すSr_2RuO_4についてのARPES測定を行った。この物質では表面バンドやshadowバンドの存在のために表面敏感な低エネルギーARPESでは表面処理に細心の注意が必要とされ論争が残っていた。しかし軟X線ARPESでは表面電子状態を気にすることなくΓ点を取り囲む2つの電子フェルミ面とX点を囲むホールポケットの観測に成功した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.Irizawa: "Bulk-sensitive photoemission of Mn_5Si_3"Solid State Commun.. 124. 1-5 (2002)

  • [文献書誌] J.-S.Kang: "Resonanct Photoemission Spectroscopy of A_2FeMoO_6 Double Perovslkites (A=Sr, Ba)"Phys. Rev. B. 66. 113105-1-113105-4 (2002)

  • [文献書誌] K.Soda: "High-resolution photoelectron spectroscopy of Heusler-type Fe_2VAl alloy"J. Syncrotron Radiation. 9. 233-236 (2002)

  • [文献書誌] H.Sato: "Electronic structure of YbXCu_4 (X=In, Cd, Mg) investigated by high-resolution photoemission"J. Syncrotron Radiation 9, pp.229-232 (2002). 9. 229-232 (2002)

  • [文献書誌] A.Yamasaki: "Orbital angular momentum and interpretation on band picture in Co-based Heusler alloys Co_2YSn(Y=Ti, Zr, and Nb)"Phys. Rev. B. 65. 104410-1-104410-6 (2002)

  • [文献書誌] T.Iwasaki: "High-Resolution Resonance Photoemission Study of CeMX(M=Pt, Pd ; X=P, As, Sb)"Phys. Rev. B. 65. 195109-1-195109-7 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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