研究課題/領域番号 |
12304021
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
今井 正幸 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (60251485)
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研究分担者 |
中谷 香織 お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (50323861)
太田 隆夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50127990)
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キーワード | ソフトマター / モルフォロジー転移 / 前駆現象 / ラメラ相 / ジャイロイド相 / 揺らぎ / depletion相互作用 / マイクロエマルション |
研究概要 |
本基盤研究の目的は、複雑液体(ソフトマター)の示す、多様な秩序相間の相転移(モルフォロジー転移)のダイナミクスを解明することである。平成12年度には分子膜系が示す秩序-秩序転移の中でも、最近注目を集めているラメラ-ジャイロイド転移過程において、相転移の前駆段階における特徴的な揺らぎの存在、および相転移過程における中間構造の存在を明らかにした。平成13年度は、計算機シミュレーションを用いて初めてこの中間構造が、ロンボヘドラルの対称性をもつ3次元ネットワーク構造であることを明らかにした。また、分子膜系以外のモルフォロジー転移として、depletion相互作用.による棒状粒子+高分子複合系の無秩序-秩序転移の研究を行い、従来の知見に比べ4桁もdepletion相互作用が増大する現象を見いだした。これらの研究結果を踏まえ、平成14年度は以下の研究を進めた。 1)分子膜系の秩序-秩序転移のダイナミクス ラメラ-ジャイロイド転移過程の前駆段階で観察される揺らぎの静的および動的構造を実験的に明らかにし、その振る舞いがラメラ構造の安定性解析から得られるLeast Stable Fluctuation Modesとして非常に良く説明できることを理論的に示した。また、ラメラ-ジャイロイド転移の中間構造であるロンボヘドラル相がシリンダー-ジャイロイド転移の中間構造としても観察されることから、ロンボヘドラル構造がジャイロイド構造のゲートウエイである可能性を示した。さらに太田らはジャイロイド構造からの秩序転移をモード展開の方法で詳細に調べた。 2)ソフトマター複合系におけるモルフォロジー転移 a)棒状粒子+高分子複合系 高分子鎖が誘起する棒状粒子のflocculationについて、高分子鎖の剛直性により、同じ分子量でもdepletion相互作用の大きさが2〜4桁以上も変わることを実験、理論の両面から明らかにした。また、flocculationの結果、形成される構造にも筏状結晶と繊維状結晶の2種類が存在することを明らかにした。 b)分子膜+高分子複合系 界面活性剤・水・油の3成分系が形成するナノ球状膜(マイクロエマルションドロプレット)の中に高分子鎖を閉じ込めた場合、その閉じ込めの強さ(高分子鎖の大きさと球状ドロプレットのサイズの比)により、球状膜からシリンダー状膜にモルフォロジー転移することを実験的に見いだし、スケーリング即を用いた理論によりそのモルフォロジー転移を説明した。
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