研究分担者 |
安田 孝志 岐阜大学, 工学部, 教授 (10093329)
松永 信博 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (50157335)
烏谷 隆 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (30150527)
植野 耕治 気象庁, 気象大学校, 助教授
田中 光宏 岐阜大学, 工学部, 助教授 (70163582)
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研究概要 |
今年度に行った研究をまとめると下記のとおりである. 1)側帯波不安定の微細構造:大振幅水面波は不安定になり砕波する.砕波の契機となる側帯波不安定を長時問の水槽実験で調べ,不安定周波数帯に微細構造があることを明らかにした. 2)風波の砕波判定指標と定量化:砕波に伴う気泡混入層厚を基に砕波判定指標を定義し従来の砕波率と合うことを示したほか,気泡混入層厚が砕波や乱流の定量化に有効なことを示した. 3)吹送流中に生起する二次循環流:風波を伴う場合と風波を抑えた場合につき水槽実験・数値実験を行い、風波が二次循環流(Langmuir循環流)を強化し安定させることを明らかにした. 4)海水飛沫の陸域への輸送:強風時に消波護岸から発生する海水飛沫の沈降量を観測し、観測値を適当に規格化するとある普遍分布が得られることを示した. 5)風波気液界面における二酸化炭素交換係数の計測:風洞水槽で気流側および水側の二酸化炭素濃度を測定しその収支から界面での二酸化炭素フラックスを精密に見積もる.これから二酸化炭素交換係数を評価したところ,従来言われている値より3倍程大きい値を得た. 6)対馬・志賀島の二酸化炭素計測:大気中二酸化炭素濃度を自動連続監視するシステムを開発し対馬・志賀島で監視を開始した.海に囲まれた対馬では日変化は数ppm程度であるが,近隣に都市のある志賀島では30ppmに達する日変化を示すことが分かった. 7)波浪予報におけるうねりの減衰表現:気象庁波浪予報モデルに新しい形のうねりのエネルギー散逸項を導入したところ,風波・うねりとも高い予報精度を実現することができた. 8)水面粗度の風向き依存性:規則波に対する風向を0度から60度まで変えた水槽実験を行ったところ,規則波と風波の混在する水面では水面粗度長が風向に依存しないことが分かった.
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