研究概要 |
地層の累重様式を明らかにするため,100年以下の誤差で年代が決められる^<14>C年代測定法を完新統に適用した.本年度の調査地域は典型的な浜堤列平野である仙台平野で,海岸線から海岸線に直交する方向の1.5kmの範囲で5本の掘削を行い,ボーリングコアを得た.得られたコア試料は,全部で長さ113mである.海岸付近では被圧水の影響で,コア径65mmでしか採取できなかった. 掘削結果は,浜堤列平野での海浜-外浜の堆積システムを代表するようなサクセッション,すなわち下位から,貝殻密集層からなる基底部(ダウンラップ堆積物),上方細粒化する砂泥互層(内側陸棚堆積物),上方粗粒化する砂層(外浜堆積物),平行葉理砂層や泥層(海浜・沿岸堆積物)という重なりを示す.これまで我が国で得られた高精度の海浜-外浜サクセッションは報告者による九十九里浜平野のもの(増田ほか,2001)だけで,そこでは泥層が含まれない特殊なサクセッションであった.今回のものは,上記のように下部に泥層を含む典型的なサクセションを示している.そのうち2本のコアについて,長さ50mに35個という高密度の年代値が得られたので,学術的には貴重なデータとなる.なお,予想以上に単層毎の堆積状況が把握できる年代試料が得られ,さらに精度の高い議論が可能なので,今年度に予定していた予算だけではすべてのコアの年代測定ができなかった.従って,来年度にも残りのコアに対する年代測定処理を引き続き行いたいと思っている.本年度の結果とその結果とを組み合わせれば,世界ではじめての高精度の海浜-外浜サクセッションの前進過程を明らかにすることができ,シークェンス層序モデルの典型である浜堤列平野での地層の発達を具体例で提示できるといえよう.
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