研究課題/領域番号 |
12304031
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉田 武義 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80004505)
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研究分担者 |
長橋 良隆 福島大学, 教育学部, 助教授 (10292450)
木村 純一 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30241730)
永広 昌之 東北大学, 総合学術博物館, 教授 (10124554)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 東北本州弧 / 地殻構造 / マントル構造 / カルデラ / 白亜紀花崗岩類 / ラコリス状マグマ溜り / 地震波速度構造 / マグマ供給系 |
研究概要 |
一の目潟火山の下部地殻〜上部マントルゼノリスについて、その化学組成を分析するとともに、高圧下での地震波速度を測定した。そのデータを最近得られた東北本州弧の地震波速度構造と比較することにより、東北本州弧下、地殻〜上部マントルに関する岩石学的モデルを構築することができた。その結果、東北本州弧の下部地殻の平均化学組成は、それらが角閃岩や角閃石ハンレイ岩からなっているために、これまで推定されていたよりも、かなり超塩基性組成をもつことが明らかとなった。第四紀火山岩についての地球化学的研究によれば、一部のカリウムに乏しいソレアイトは、そのような角閃石を含有した下部地殻物質の部分溶融物である可能性を示している。 花崗岩類の定置に関する論文を現在投稿中である。我々は非履歴性残留磁化異方性を用いて岩石の組織を解析する目的で新たな磁気異方性計測システムの開発を行なった。今回、北上山地の五葉山花崗岩体に対してこの測定システムを適用し同一試料について帯磁率異方性と部分非履歴性残留磁化異方性を測定して、花崗岩の進化に伴う組織の変化を明らかにすることに成功した。 さらに、最近なされた爆破実験の結果、地殻上部に分布する大規模陥没カルデラ直下のマグマ溜りはラコリス状を呈していることが明らかとなってきた.地震波速度と推定される地殻構成岩石を比較することにより、東北本州弧下のマグマ供給系に関連した新しい地殻構造の進化モデルを得ることができた。これらの結果の多くは既に論文として公表されている。また、新たに明らかとなった成果について、その一部は雑誌に投稿中であり、残りは投稿準備中である。
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