研究分担者 |
黒澤 正紀 筑波大学, 地球科学系, 講師 (50272141)
加藤 工 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (90214379)
宮野 敬 筑波大学, 地球科学系, 教授 (60133039)
笹 公和 筑波大学, 物理学系, 講師 (20312796)
小松原 哲郎 筑波大学, 物理学系, 講師 (10195852)
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研究概要 |
追加採択の通知を受けて,平成12年10月よりそれまでの準備に基づいて本格的な研究を開始した。12年度の達成目標と実績は以下のとおりである。 1重イオン・マイクロビームラインの建設と試験 このビームラインは,加速器から出射されるエネルギー20〜30MeVの19Fイオンビーム直径をあらかじめ決定する第1スリット,ここで決定された直径を分析試料上で30ミクロン程度に縮小するための4重極レンズ,及び試料照射真空槽から構成される。これらの内,4重極レンズは詳細なビーム光学計算の結果,現有の2連電磁石を2個直列に配置した4連4重極電磁石とすることで理想的な縮小・収束が達成されることが分かり,これにしたがって現有磁石の組み立て変更並びにこれを設置する新架台の設計・製作を行った。第1スリットについてはその試作品を作り,実際に加速器を運転してビーム収束やビーム強度を測定した。その結果,加速器及びイオン源の運転条件を若干改善することにより,当初計画における30ミクロン程度の直径をもつマイクロビームが得られる見通しを得た。また試料照射真空槽の基本設計を行った。 2ビーム照射制御部の製作 分析試料中の水素濃度を深さ方向分布として測定する際,イオンエネルギーを共鳴原子核反応の共鳴幅と同程度のステップで非常に頻繁に変える必要がある。このため,新たな電磁石電源,制御モジュール,及び専用パソコンを購入し,制御プログラム開発と部分的テストを行った。 3標準試料作製 水素濃度が既知の試料は,実際の分析作業において極めて重要であるが,現在,水素濃度の絶対値を決定する有効な方法が報告されていない。本研究において共鳴原子核反応で放射されるアルファ粒子とガンマ線の同時計数法の適用が有効であることを見出し,この実験を開始した。
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