研究分担者 |
黒澤 正紀 筑波大学, 地球科学系, 講師 (50272141)
加藤 工 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (90214379)
宮野 敬 筑波大学, 地球科学系, 教授 (60133039)
笹 公和 筑波大学, 物理学系, 講師 (20312796)
小松原 哲郎 筑波大学, 物理学系, 講師 (10195852)
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研究概要 |
平成13年度の研究計画・目標と実績は以下のとおりである。 (1)ビーム照射制御部の製作と試験 加速器から出射されるエネルギー20〜30MeVの<19>^Fイオンビーム直径を分析試料上で30ミクロン程度に縮小するため,直径0.4mmの第1スリットを基準点とするビームライン,及び4連4重極電磁石とビーム偏向電磁石の励磁電流制御,並びにビーム計測をコンピューターによって行うシステムが完成した。現在,目標のビーム直径30ミクロンに向けて4連4重極電磁石の調整をさらに継続している。 (2)試料照射真空槽,顕微鏡,及びその制御部の試験と調整 試料照射真空槽の製作が終了し,平成14年2月末,工作センターにおいて真空試験を行っている。3月中に4重極レンズに接続し最終的な試験を行う。また,試料表面観測用の顕微鏡の試験が終了し,CCDカメラを含めた総合倍率690倍を達成した。この性能は30ミクロン程度の流体包有物の内部にある個々の構成物質を区別して観測するのに充分な倍率である。 (3)標準試料の作製とスペクトル解析プログラムの整備 標準試料として,水素を吸蔵させたチタン薄膜と,水素イオンを注入したシリコン薄膜を作製し,試験を行った。その結果,シリコン薄膜の試料が最も安定であることが確かめられ,標準試料の作製とその濃度較正の方法が確立した。スペクトル解析プログラムについては,これにビームライン制御・計測プログラムを結合して,分析の自動化の準備を進めている。 (4)人工及び天然試料の水素分析 従来の測定より遥かに深い部分に有る水素の測定法として,高エネルギー陽子の弾性散乱・同時計数法の開発に着手し,その応用の手始めとして,広島原爆の中性子線量再評価に関わる広島市・元安橋梁の御影石に含まれる水分(水素)を測定するテスト実験を開始した。
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