研究分担者 |
福原 晴夫 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (50108007)
久保田 喜裕 新潟大学, 理学部, 助教授 (40282975)
小林 巌雄 新潟大学, 理学部, 教授 (70018266)
中野 聰志 滋賀大学, 教育学部, 教授 (90024968)
笹川 一郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (00095134)
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研究概要 |
生命-鉱物のミクロ相互作用の地球史・環境・進化へのインパクトの課題を,具体的には,1)バングラデシュにおける地下水砒素汚染にかかわる微生物一鉱物相互,2)フランボイダルパイライトの特異な内部構造,3)黒雲母の微生物風化,4)ウラン鉱物の微生物影響下での生成,等のテーマについて検討した.1)の地下水ヒ素汚染の問題については,現地調査も含め検討し,ヒ素の濃集過程,溶出過程,汚染水浄化の3つのそれぞれに異なった形で,微生物との相互作用が重要であることがかなり明らかにできた.浄化の過程としてサンドフィルターを使ったものでは,その表面に特徴的な微生物皮膜ができ,この部分にヒ素が濃集していた.また培養実験で,バングラデシュ堆積物に,微生物栄養源として,グルコース,ポリペプトン,農業用肥料他のものを加え,砒素が溶出する様子を再現できた.また繁殖している微生物とそのバイオミネラリゼーションを電顕下で観察した.この結果は砒素溶出の解明にとって極めて重要な示唆を与える.2)では非常に特異な構造である20面体構造を,その内部構造にもつことを発見した.これ自体は生物が生成していることはまだ明らかになっていないが,生物活動と密接にむすびついて産出するフランボイダルパイライトであり,今後の研究が重要である. 3)では黒雲母表面に,放線菌他の微生物がおり,これが風化を促進している様子が電顕下で確認できた.また鉄の溶出量も微生物がいる場合に多いことが明らかにできた.4)のウラン鉱物は,コフィン石から,微生物存在下での長期の実験で,chernikovite meta-akoleiteが生成することが明らかとなった.
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