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2002 年度 実績報告書

常緑性・落葉性とその地理分布におよぼす樹木の葉のフェノロジーに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12304047
研究機関京都大学

研究代表者

菊沢 喜八郎  京都大学, 農学研究科, 教授 (50271599)

研究分担者 藤田 昇  生態学研究センター, 助手 (50093307)
鈴木 力英  防災科学技術研究所, 地球フロンティア研究システム, 研究員
小池 孝良  北海道大学, 農学部, 教授 (10270919)
高田 壮則  北海道東海大学, 国際文化学部, 教授
キーワード常緑性 / 落葉性 / 合成速度 / 休眠 / 平均気温 / 地理分布
研究概要

この研究の目的は、葉寿命を決定する新しい数理モデルを開発し、これを用いて常緑性・落葉性の地理分布を表現するところにある。従来の著名なモデルにはKikuzawa(1991)があるが、そこでは季節は冬から夏に瞬時に変化するだけで、その推移は実態に合っていない。そこで、温度の季節変化をコサインカーブで表現し、パラメータとしては平均気温と振幅を採用した。これによりあらゆる地域の気温の年内変化を表すことに成功した。また樹木の葉の光合成速度の温度に対する反応を示すサブモデルとして温度-光合成反応式を二次曲線で表現した。さらに光合成速度の時間変化は指数曲線で表現した。これらを組み合わせて、時間当たりの光合成速度を最大化する葉寿命を最適葉寿命とした。パラメータの組み合わせにより、次の3つのタイプが生じることが明らかとなった。1.時間0で葉が出現するタイプ。これは1年全体を光合成好適期間として利用することを意味し、明らかに常緑性であることを示す。ただしこのタイプの中でも葉寿命が1年未満のものと1年以上のものとが存在した。2.年の途中で葉が出現し、葉寿命は1年以上であるもの。これもまた常緑性である。3.年の途中で葉が出現し、葉寿命は1年未満であるもの。これは落葉性である。熱帯樹木には1のタイプの常緑性を示すものが多いこと、2のタイプの常緑性は暖温帯や逆に北方林に多いこと、3のタイプの落葉性は温帯林に多いことなどが明らかとなった。また常緑性の地理的2山分布を表現することもできた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Kikuzawa: "Phenologial and morphological adaptations to the light environment in two woody and two herbaceous plant species"Functional Ecology. 17. (2003)

  • [文献書誌] T.Koike, M.Kitao, Y.maruyama, S.mori, T.T.LEI: "Leaf morphology and photosynthetic adjustments among deciduous Broad-leaved within the vertical canopy profile"Tree Physiology. 21. 951-958 (2001)

  • [文献書誌] M.Kayama, K.sasa, T.koike: "Needle life spen photosynthetic rate and untrient concentration of Picea glehnii, P. jezoensis and P. abiesplanted on serpentine soil in northern Japan"Tree Physiology. 22. 707-716 (2002)

  • [文献書誌] 鈴木力英, 野牧和之, 安成哲三: "植生指数から見たアジア北部における植生の季節サイクルの東西差と気候"生研フォーラム「宇宙からの地球環境モニタリング」第11同論文集. 60-61 (2002)

  • [文献書誌] R.suzuki: "Some phonological aspects of vegetation over Siberia and North America as revealed by NDVI"Proceedings of the 2^<nd> GAME-MAGS Joint International Worlsshor. 69-74 (2002)

  • [文献書誌] R.Suzuki, T.Nomaki, T.Yasunari: "West-east contrast of phenology and climate in northern Asia revealed using a remoteyle sensed vegetation indey"International Journal of Biometeorology. (発表予定). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2014-11-20  

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