研究課題
基盤研究(A)
研究初年度においては、新しいモデルの構築を行った。基本形は葉の入れ替えモデル(Kikuzawa 1991)および開葉モデル(Harada & Takada 1988)であり、これらを組み合わせることにより、変動する季節環境下における開葉時期の遅速および葉寿命、常緑性、落葉性の違いを明らかにする見通しを得た。2年度においては温度-光合成速度、光合成速度の時間低下、月平均気温の年内変化に関するサブモデルを構築し、各パラメーターの範囲を決定した。これらを組み合わせることにより様々な地理環境における葉フェノロジー、葉寿命、常緑落葉性を明らかにすることを可能とした。2年度から3年度にかけて何度かの修正を経ながらさまざまなパラメーターの値の組み合わせを用いて実際の計算に入った。計算の結果、常緑性の緯度方向での二山分布を再現することが出来た。また季節環境での常緑性、落葉性のほかに、無季節環境での開葉時期0における常緑性および葉寿命の1年より短いものなどが出現した。これらの成果は2002年にソウルにおいて開催された国際生態学会議において、シンポジウムを企画して発表した。また現在は投稿原稿をとりまとめ中である。
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