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2000 年度 実績報告書

アシナガバチをモデル生物とした真社会性進化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12304048
研究機関九州大学

研究代表者

粕谷 英一  九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (00161050)

研究分担者 鈴木 惟司  東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40128575)
山根 正気  鹿児島大学, 理学部, 教授 (30145453)
山根 爽一  茨城大学, 教育学部, 教授 (40091871)
土田 浩治  岐阜大学, 農学部, 助教授 (00252122)
牧野 俊一  農林水産省, 森林総合研究所, 技官(研究室長)
キーワード真社会性 / アシナガバチ / ワーカー / 血縁度 / 血縁選択 / ヘッドスタート / ミュラー擬態 / 系統関係
研究概要

アシナガバチの真社会性進化を解明するために、個体間の血縁関係、真社会性に伴う利益とコスト、系統関係の3つの方向から研究を進めた。日本産のアシナガバチのうち集中的に研究されて来たフタモンアシナガバチなどについては分子的な遺伝マーカーによる血縁度の定量が可能になった。また、系統関係に関しては、日本産アシナガバチ属7種についてのCOI部位の塩基配列610塩基についてシークエンスを行い、形態形質と合わせて系統関係解析をすすめている。
真社会性に伴う利益とコストに関しては、もっとも大きな努力を集中した。ワーカー行動の進化を説明する有力な仮説の1つである生命保険(life insurance)仮説などの検証のためには個体群統計的調査に基づく利益やコストの推定値が必要となる。この調査をフタモンアシナガバチで行い血縁度の推定値も援用して検証を進めた。またワーカーの体サイズが真社会性の利益に影響を与えている可能性があるため、子の養育に関する行動を通じてワーカーなどの体サイズや個体数・出現時期がどのように変化するか実験的な方法で調査した。その結果、単純な栄養去勢的効果だけではなく、女王とワーカー両方の進化を考慮した仮説が必要であることがわかった。さらに、餌由来のたんぱく質の利用と分配は真社会性の利益とコストの一部を構成している可能性が高いため、とくに巣への塗布など幼虫や成虫の餌以外の用途について分析を進めた。また、生命保険仮説などの真社会性進化に関する仮説の検証の方法についても研究会での議論などにより検討を加え、適切な方法を明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kojima,J.: "A critique of variable reduction methods to analyze morphological caste differences in social wasps."J.of the New York Entomological Society. 108. 332-338 (2000)

  • [文献書誌] Kudo,K.,H.Yamamoto and So.Yamane: "Amino acid composition of the protein in pre-emergence nests of a paper wasp, Polistes chinensis (Hymenoptera, Vespdiae)."Insectes Sociaux. 47. 371-375 (2000)

  • [文献書誌] Kudo,K.,S.Hozumi,H.Yamamoto and So.Yamane: "Amino acid composition of the protein in preemergence nests of Polistes (Polistes) riparius, and its similarity to the consubgeneric wasp, P(P.) chinensis (Hymenoptera : Vespidae)."J.of Ethology. 18. 75-77 (2000)

  • [文献書誌] 池田英司,佐山勝彦: "八重山諸島黒島産膜翅目採集記録."南紀生物. 42. 49-52 (2000)

  • [文献書誌] Kumano,N.and E.Kasuya: "Why workers of the primitively eusocial wasp Polistes chinensis antennalis remain at their natal nest?"Animal Behaviour. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Kasuya,E.: "Mann-Whitney U test when variances are unequal."Animal Behaviour. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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