研究課題/領域番号 |
12305003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京工業大学 (2001) 理化学研究所 (2000) |
研究代表者 |
青柳 克信 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70087469)
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研究分担者 |
川崎 宏治 大阪大学, 理学部, 助手 (10234056)
藤井 研一 大阪大学, 理学部, 助教授 (10189988)
塚越 一仁 理化学研究所, 半導体工学研究室, 研究員 (50322665)
安食 博志 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60283735)
神田 晶申 筑波大学, 物理, 助手 (30281637)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | カーボン / ナノチューブ / 電気伝導 / トンネル現象 / クーロンブロッケイド / 多層ナノチューブ |
研究概要 |
ナノメートル伝導細線カーボンナノチューブの伝導制御を目的として、伝導制御に必要な基礎特性の明確にすることを目的として以下の研究を行った。 1.カーボンナノチューブの電気伝導特性における磁場効果を詳細に調べて単電子効果に重畳して「ナノチューブのenergy dispersionの磁気効果」が観測できることを見出した。これによってナノチューブ内の電子状態を電気的に観測することが可能となることを明らかにした。この実験結果からナノチューブの電極作成プロセスに対する耐性が極めて高いことが明確になり、次世代ナノ伝導細線として適応可能である面を始めて示した。 2.多くのナノチューブは多層構造や密接バンドル構造を形成している。この場合ナノチューブ間の伝導の寄与が重要である。特に多層カーボンナノチューブに注目して多層構造の電気伝導に及ぼす機構に関し調べ、低電圧領域では外層チューブのみが伝導に寄与し高電圧領域では全層が伝導を担うことを電気伝導特性の詳細な結果から明確にした。特に層関にトンネル障壁が存在することを明確に示すことが出来た。 3.単層ナノチューブの多くの場合、生成過程において数本から数10本が束となって生成されバンドルを形成する。この束チューブにおいてチューブ間の静電容量と単電子伝導との関連を計算機シミュレーションによって調べた。静電容量結合が大きくなると容量結合によって2つのドットのポテンシャル電位が強制的に等しくなり、実際に電荷がドット間で移動しなくとも2つのドットが1つのドットのように振舞いクーロンブロッケイド振動が規則的になることを明らかにした。応用に関しては複雑な単層ナノチューブバンドルを用いても容易に単周期単電子素子を作製することが可能となる。しかし、実際の伝導での電荷の移動はどのドットを経由しているか全く区別が付かないことから、応用対象を考慮して素子構造を決めることが重要であることを示した。
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