研究課題/領域番号 |
12305010
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
岡村 弘之 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00010679)
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研究分担者 |
町田 賢司 東京理科大学, 理工学部, 講師 (50089380)
菊池 正紀 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90107540)
澤 芳昭 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60101309)
向後 保雄 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (60249935)
福田 博 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (40013742)
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キーワード | 複合材料 / 異材界面 / 衝撃波 / 熱衝撃 / CFRP積層板 |
研究概要 |
菊池はSiC粒子分散強化アルミニウム合金の破壊解析を行い、粒子間の塑性拘束が母在であるアルミニウム合金の損傷・破壊挙動にどのように影響するかを定性的に考察した大きなディンプルの発生、成長は粒子間の塑性拘束に強く支配されていることが、数値解析と実験結果の考察より明らかとなった。澤は複合材料の衝撃波による衝撃破壊を調べるために、複合材料中の衝撃波の挙動を知る目的で、ヤング率の異なる2種の光弾性材料を接着してCranz-Schardin型閃光カメラを用いた光弾性実験による基礎研究を行った.まだ結論には至っていないが、異種材料の境界層での衝撃波による破壊条件を調べる予定である.町田はICパッケージのリフロークラックなどの初期欠陥をダイパッドと封止樹脂界面のダイパッドコーナー部に想定し、3次元有限要素法を用い熱応力負荷下における応力拡大係数を仮想き裂進展法により評価した。また、き裂先端の要素依存性が報告されているき裂閉口積分法との精度を比較し、混合モード応力拡大係数評価法としての有効性を検討した。荻原はCFRP積層板について、熱サイクル試験を行い、熱サイクル負荷下における損傷発生・進展挙動を実験的に明らかにした。積層構成はクロスプライ、アングルプライ、擬似等方性積層板とした。これにより、次年度行う熱サイクル負荷下におけるこの材料の耐久性評価および寿命予測手法構築への基礎が固まった。向後は、Si-Ti-C-O繊維結合型セラミックス(FBC)ならびにC/C複合材料の熱衝撃試験として、熱衝撃温度差(・T)が200〜1000Kの範囲での実験を実施した。FBCでは、・T=600Kでマクロな亀裂が発生し、試験片表面近傍にミクロな損傷の発生が確認された。C/C複合材料は高い耐熱衝撃性を示し、表面近傍にミクロな損傷の発生が確認された。これらのミクロな損傷は熱応力緩和機構となっていることが推測される。福田は高分子基複合材料の破壊のメカニズムの解明および強度予測を目標とし、(1)単繊維の強度を求めるループ試験法の開発、(2)単繊維を1本もしくは数本樹脂に埋めたマイクロコンポジットによる繊維/樹脂界面特性の評価、(3)複合材料のボルト継手の静的および疲労試験の3つの研究を行い、損傷メカニズムの解明に一定の寄与ができる成果が得られた。
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