研究課題/領域番号 |
12305014
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
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研究分担者 |
小林 秀昭 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (30170343)
尾池 守 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (70292282)
上條 謙二郎 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90282003)
藤間 克巳 (株)前川製作所, 技術研究所, 次長(研究職)
塚田 隆夫 東北大学, 反応科学研究所, 助教授 (10171969)
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キーワード | 酸素分離 / 微細繊維 / 高効率熱交換器 / 複合伝熱 / 空気液化 |
研究概要 |
本研究は、研究代表者が考案している微細繊維構造体を用いた高効率熱交換機構を、低温空気に適用した酸素分離技術に応用し、小型で高効率な酸素分離システムの構築を目指すものである。 研究代表者がすでに作成している繊維媒体中の複合伝熱解析の数値シミュレーションコードを改良して、低温空気の熱交換特性の動的挙動を検討した。低温空気の熱交換特性を有効にするために、すでに測定している繊維媒体(セラミック繊維媒体)の比熱や繊維直径などの物性値を使用して、気体の往復流動時間間隔等の動的解析と最適化を行ったところ、媒体厚さ数10cmでも酸素製造に十分な熱交換が行えること、空隙率が小さく媒体厚さが大きいほど切替時間が長くなること、等を明らかにした。 上記の解析と平行して、液体窒素と空気を繊維媒体熱交換システムに透過する簡易実験装置の設計と製作を行った。データロガーと真空ポンプを用いた断熱システム、低温温度計を組み込んだ実験装置を設計した。各熱交換器部位の水蒸気の凝縮と蒸発現象を、デジタルマイクロスコープで観察できる構造とした。 また、繊維媒体中を透過する際の気体の圧力損失を予備実験により評価した。その結果、圧力損失による仕事損失は、全体の所要エネルギーのおよそ2%程度以下であることがわかった。 以上の解析および予備実験により、コンパクトな熱交換システムを構成する繊維媒体の熱交換特性を明らかにするとともに、水や二酸化炭素の不純物を熱交換時に取り除き、乾燥した分離酸素と窒素によって繊維媒体内に凝縮した水や固形二酸化炭素を取り除くシステムを構築できる可能性を示した。 以上の結果から、本年度の研究成果は100%以上の目標が達成された。
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