研究課題/領域番号 |
12305016
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
春山 富義 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (90181031)
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研究分担者 |
畑 幸一 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助手 (60115912)
塩津 正博 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20027139)
新冨 孝和 高エネルギー加速器研究機構, 低温工学センター, 教授 (10016082)
佐藤 明男 金属材料技術研究所, リーダー
三戸 利行 核融合科学研究所, 教授 (10166069)
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キーワード | データベース / HeII / 超流動ヘリウム / 熱伝達 / 臨界熱流束 |
研究概要 |
平成12年度は以下の点に関して研究を行った。 (1)HeII熱伝達研究ならびにHeII冷却による大型超伝導磁石冷却システムに関する現状調査およびデータベースの整備 (2)HeII熱伝達特性ならびにHeII冷却要素の実験的研究およびデータの蓄積 (1)のデータベースの整備に関しては各々の機関で文献調査を分担し、1次データベースの整備を行った。 (2)の実験的研究では、以下のように各機関で実験装置の整備と実験を実施し、一部データの集積を行った。 [核融合研]超伝導コイル内のHeIIの熱移送特性を把握するために、急激な断面積の変化における熱移送の影響を実験的に調べ、断面比率に関する経験式を導くことを目的とする。FRPを用いて冷却チャネルを製作し、流路断面の変化における温度勾配を時間と熱入力の関数として計測する。予備実験を終了し、来年度本格的に実験する。 [京大]加圧HeII中の定常及び過渡熱伝達の研究: ●加圧HeIIプール中の平板試験発熱体の臨界熱流束の発熱体寸法による影響を調べ、影響を記述する表示式を示した。 ●浸漬冷却超伝導マグネットの冷却流路を模した狭い流路中の平板試験発熱体において、定常及びステップ状熱入力に対する熱伝達特性の発熱体表面積/流路断面積比の影響を測定し、その効果を明らかにした。 ●流路途中に設けたオリフィスの開口面積を種々変えた実験を行い、流路の局所的狭小の影響を明らかにした。 2流体モデルによる数値解析コードの研究:2次元体系における2流体モデルの基礎方程式の厳密解を求める数値解析コードを開発し、上記実験結果との比較検討から加圧HeII中の定常および過渡熱伝達機構を明らかにした。 [金材研]HeIIが満たされた細管中の熱移送特性を記述する熱伝達関数を、圧力依存性の観点から検証するための実験を計画している。現在までに1MPaまで加圧できる測定用クライオスタットの製作を終え、実験システムを整備した。 [高工研]飽和HeII中での熱機械効果を可視化で観測でき、また加圧HeII中での熱伝達特性、各種センサーの特性を研究できるクライオスタットの製作とその周辺機器の整備を行った。来年度以降にこれを用いて実験を行い、データの蓄積を行う。
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