研究分担者 |
村上 朝之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20323818)
岡村 哲至 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10194391)
奥野 喜裕 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10194507)
ビスワス デバシス 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 客員助教授
大柿 久美子 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教務職員 (00169898)
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研究概要 |
本研究では、飛躍的に高い発電効率が期待でき、省資源や二酸化炭素の排出を大幅に削減できるMHD発電を研究対象としている。この発電を実用化に近づけるためには、実験室規模の小型の装置で、エンタルピー抽出率(=電気出力/熱入力)として25%、等エントロピー効率(=実際の電気出力/等エントロピー変化での理想的な電気出力)として、60%以上を実証する必要がある。このためには、これまで用いてきたアルゴンと比較して、速度が速く、プラズマの安定性に優れたヘリウムを用いることが有望である。しかしながら、その実験的検証はなく、本研究ではその性能を実験的に調べることを目的とする。 平成14年度は、ヘリウムの持つ高い流速という特徴を確認するとともに、運転条件の最適化やスワール導入などの手法を用いて世界最高の等エントロピー効率の達成を目的として研究を行った。その結果、ヘリウムではアルゴンと比較して高電圧型の電圧-電流特性となることを指摘するとともに、アルゴンを上回るエンタルピー抽出率30.3%を得ることができ,同時に世界最高の等エントロピー効率63%の達成に成功した。また,大幅な出力の向上が見られ,1200kWという大出力発電にも成功した。このように,エンタルピー抽出率,出力密度,プラズマの安定化については実用化目標を達成し,また,装置の大きさに強く依存する等エントロピー効率については,実用化目標の80%には及ばないものの,実験室規模の小さな装置で到達可能な目標値を達成でき,これは全MHD研究の中でも金字塔といえるデータとなっている。
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