研究分担者 |
村上 朝之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20323818)
岡村 哲至 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10194391)
奥野 喜裕 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10194507)
大柿 久美子 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教務職員 (00169898)
デバシス ビスワス 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 客員助教授
BISWAS Debasis Tokyo Institute of Technology Interdisciplinary Graduate School of Science and Engineering, Guest Associate Professor
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研究概要 |
本研究では,超高効率の発電が期待できるプラズマMHD発電を研究対象とし,その研究成果により,次世代の二酸化炭素排出削減/省エネルギー型のエネルギー利用高度化技術の構築に資することを目的とした。平成12年度の研究では、ヘリウムではシード率が低い場合、ノズル内での放電の形成が困難になること、また、ノズル内の放電形成がノズル負荷抵抗に大きく依存することを見出した。一方、放電形成の改善のためにシード率を高めた場合には、ノズル内で衝撃波が観測され、これが発電チャネルでの流速を減少させ、高い起電力が得られないことがわかった。また、実験で得られたエンタルピー抽出率は9%と低かった。平成13年度は、ノズル負荷の最適化を行った。その結果、エンタルピー抽出率14%を得ることに成功し、前年度のエンタルピー抽出率9%を大きく上回った。また、出力も650kWの大出力を得ることに成功し、ヘリウムの持つ高い流速という特徴を確認するとともに、断面積比の小さな発電機としては、世界最高の等エントロピー効率を達成できた。また、ヘリウムではアルゴンと比較して高電圧型の電圧-電流特性となることも確認できた。平成14年度は、運転条件の最適化やスワール導入などの手法を用いて世界最高の等エントロピー効率の達成を目的とした。その結果、アルゴンを上回るエンタルピー抽出率30.3%を得ることができ,同時に世界最高の等エントロピー効率63%の達成に成功した。また,大幅な出力の向上が見られ,1200kWという大出力発電にも成功した。このように,エンタルピー抽出率,出力密度,プラズマの安定化については実用化目標を達成し,また,装置の大きさに強く依存する等エントロピー効率については,実用化目標の80%には及ばないものの,実験室規模の小さな装置で到達可能な目標値を達成でき,これは全MHD研究の中でも画期的な成果となっている。
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