研究課題/領域番号 |
12305020
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大見 忠弘 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20016463)
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研究分担者 |
平山 昌樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70250701)
小谷 光司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20250699)
須川 成利 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70321974)
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キーワード | LSI / SOI / 気体分離配線 / BPSG / 無水HF / 銅配線 / 金属基板 |
研究概要 |
本研究は、半導体集積回路の超高速化・低消費電力を計る上で理想的なデバイス構造およびプロセス、材料を研究開発することにより、従来1GHzが上限と考えられていた集積回路の動作周波数を20GHz程度まで高速化した極限超高速超高集積ギガスケールインテグレーション技術を確立することを目的とする。本年度は、本目的を達成するための基盤となる気体分離配線構造、超微細コンタクト・ビアーホールへの銅穴埋め技術、ならびに高性能タンタルゲート金属基板SOIMOSトランジスタの開発を行った。 気体分離配線構造は、多層配線間をBPSG(ボロンと燐を含むシリコン酸化膜)絶縁膜で充填したLSIを作成した後、不活性ガス中に無水HFガスを少量添加したガスに晒すことにより配線間のBPSGを選択的に除去することにより形成する。水分を徹底的に排除したArガス中に無水HFガスを1%程度添加し、基板温度を100〜120℃に加熱すると、BPSGのみ選択的にエッチング除去されることが判明した。BPSGのエッチンググレートは数100nm/minと高速で、量産にも十分に対応できる。このとき、ボロンや燐を含まない熱酸化膜を含む他のLSI構成物質は全くエッチングされない。従って、理想的な気体分離配線構造を実現できる可能性が濃厚である。 配線と配線間を結ぶ超微細ビアーを実現するには、超微細ビアーホールへの銅穴埋め技術が不可欠となる。本年度は、微細ホールへの穴埋めで実績のあるロングスローマルチカソード(LTS)スパッタ技術と我々が開発したバランスとエレクトロンドリフト(BED)プラズマ生成技術を融合させた装置を世界に先駆けて開発し、大量のイオン照射を行いながら基板にほぼ垂直にスパッタされた銅原子を入射させて微細穴埋めを行う研究を行った。イオン照射のアシストにより穴埋め特性が改善することが明らかになっている。
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