研究課題/領域番号 |
12305021
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
梅野 正義 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90023077)
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研究分担者 |
曽我 哲夫 名古屋工業大学, 都市循環システム工学専攻, 助教授 (20197007)
江川 孝志 名古屋工業大学, 極微構造デバイス研究センター, 教授 (00232934)
神保 孝志 名古屋工業大学, 都市循環システム工学専攻, 教授 (80093087)
林 靖彦 名古屋工業大学, 都市循環システム工学専攻, 助手 (50314084)
石川 博康 名古屋工業大学, 極微構造デバイス研究センター, 助手 (20303696)
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キーワード | Si / GaAs / エピタキシャルリフトオフ(ELO) / 有機金属気相成長(MOCVD) / GaN / AlGaN / GaN中間層 / 発光ダイオード(LED) / 直列抵抗 |
研究概要 |
GaAs/Siの場合10^6cm^<-2>以下の欠陥密度を達成するには熱膨張係数差に起因した応力の緩和が効果的である。本年度はSi基板上のGaAsに発生する応力を緩和するために、エピタキシャルリフトオフ(ELO)と再成長を組み合わせた手法により応力低減を試みた。有機金属気相成長(MOCVD)法によりGaAs基板上にAlAs(10nm)中間層を介して成長したGaAs(3μm)を二酸化セレン(SeS_2)を塗布したSi(100)基板上にGaAs成長面を張り合わせ、窒素雰囲気中350℃にて10minアニールすることで接合した。AlAs中間層を選択エッチングすることでGaAs基板を取り除き、Si基板上にSeS_2を介して3μmのGaAs層(ELO-GaAs/Si)を得た。さらに、MOCVD法によりGaAs(3μm)をこのELO-GaAs/Si上に再成長させた(再成長GaAs/ELO-GaAs/Si)。比較のためにGaAs基板上のGaAs(GaAs/GaAs)と共に77Kフォトルミネッセンス測定を行ったところ、再成長GaAs/ELO-GaAs/SiのピークはブロードながらもGaAs/GaAsとほぼ同じピーク波長であった。ELOプロセスが350℃という低温であり、またGaAsとSiがSeS_2によって強固に結合した結果、熱膨張係数差に起因した応力の緩和が達成できたものと考えられる。 また、Si基板上にGaN系発光デバイスの作製を試み、デバイス特性を調べた。低抵抗Si(111)基板上に常圧MOCVDにより、SiドープAlGaN/AlN中間層、SiドープGaN(400nm)、GaInN三重量子井戸、MgドープA_<10.15>Ga_<0.85>N(20nm)、MgドープGaN(0.2μm)を成長させた。成長後の表面にはクラックとメルトバックエッチングに起因した多結晶が若干観察された。Si基板にn電極、MgドープGaN上にp電極を形成したLEDの電流-電圧(I-V)特性より直列抵抗を導出したところ、1kΩであった。高い直列抵抗値の要因として(1)AlGaN/AlN中間層の抵抗が高い、(2)各層間のバンド不連続性に起因した抵抗が高い、と考えられる。
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